介護現場とリハビリテーション
お世話になっております、佐々木です‼️
引き続き、コロナウィルスが世界中で猛威をふるっています。世界各地で今でも多くの方が苦しまれている現状です。
皆さんも、ご自身にできることを継続していきましょう‼️
今日も私は、コロナウィルスとはほぼ関係ない内容について発信していこうと思います。
今回の内容は私が介護保険内で提供していたリハビリテーションについて、現場で感じた内容を述べさせていただきます。
対象は学生として理学療法士をはじめとしたコメディカルとして医療業界への就職を目指す皆様を想定しております。
※※個人的な意見が多く含まれておりますので、全ての方に当てはまる内容ではないことを、事前にご了承いただければ幸いです※※
簡単な生い立ちと説明
私は、今年の4月から早稲田大学スポーツ科学研究科という場所で「大学院生」となりました。
しかし、1ヶ月前までは地方公立病院に勤め、付属の訪問介護ステーションの職員として働いていました。
そこでは「介護保険としてのリハビリテーション」いわゆる「訪問リハビリテーション」を提供していました。
今日はその経験の中で大事だと感じた点についてお伝えします。
(制度については医療保険と介護保険で大きな違いがあるのですが、そこについては最低限の知識しか持ち合わせておりませんので、本日は割愛させていただきます)
①リハビリテーションの位置づけを知ること
介護保険で求められることは、安定した生活です。
「身体機能<日常生活」という色合いが濃い印象でした。
少し話はそれますが、私の所属していた訪問看護ステーション(以下:事業所)では、基本的に訪問リハビリテーションは1週間に1〜2回でした。
なぜか?
私の解釈は、介護保険において「身体を良く」することと同じくらい、もしくはそれ以上に「日常生活をマネジメントする」ことが大事だから、だと考えています。
リハビリという言葉のイメージから、訪問リハビリテーションの現場でも「身体を良くして欲しい」「揉んで欲しい」というニーズも聞かれました。
しかし、リハビリテーションとしてご自宅に訪問できる時間は、長くて1時間です。その時間で身体を揉んで、それでリハビリテーションは成功したのでしょうか。
そうではなく、家でできる「運動を指導」し、困っている動作の「方法や注意点を指導」し、家の中の「改修や補助具を提案」するなど、直接身体を良くする以外の方法が多いのです。
リハビリテーション以外の時間についてマネジメントし、最終的には、利用者さんやご家族の不安を解消していく、のが訪問リハビリテーションの役割であると考えています。
②環境の大切さを知ること
①と被ってしまう所がありますが、環境を変えることがその方の生活を変えることに繋がりやすいです。
環境ってなんでしょう⁉️辞書を引いたわけではありませんが…
私は「接する物や人」である、と考えます。
身近なところでは、寝具・歯ブラシ・家族・同僚、といった所でしょうか。
寝具や歯ブラシは良いものに替えられたとしても、家族や同僚は替えられない…
そういう時は「考え方」を替えていただけるように、アプローチさせていただきました。
幸い「リハビリテーション」として訪問させていただいていると、それだけでご家族の耳は私たちの方を向きやすい環境になっています。
まずは、その環境に感謝しながら疾患や身体状況に対する認識を替えられないか、「提案」をすることを心がけていきます。
うまく行く時もあれば、うまく行かない時もあるのが人生です。うまく行っていない時はなるべく早く察知して、修正を何度も試みる。うまく行っている時はどうにかそれを長く続ける。
そういった過程のお手伝いをする、そんな仕事でした。
③連携の楽しさを知ること
訪問リハビリテーションを続けていくと様々な方々の想いを踏まえた関わりが必要な現場だと感じました。
訪問リハビリテーションとして関わる方々は、
利用者さん・ご家族さん
ケアマネージャーさん
他事業所さん(訪問看護・訪問入浴・通所介護施設・短期入所施設・福祉用具業者など)
医療関係者さん(主治医・看護師・リハビリテーションスタッフなど)
それぞれの場所における評価・考え(想い)を伝え合いながら、ベストの道を探って進めていく必要性がありました。
その中ではリハビリテーションスタッフとしての観点が非常に重要視される傾向も感じました。
例えば…「この痛みって大丈夫なの?」と利用者さんやご家族さんに聞かれた際には、その原因や対処法をともに考えると同時に「生活の中でこのように困っていらっしゃいます」と医師に伝え、相談することも多いです。
稀な事例とは思いますが、ご利用者さんやご家族さんの思いを医師に(ダイレクトではありませんが)伝えたケースです。
また、幅広く連携していく中で、「相手を不快にさせない話し方」や「相手に動いてもらう話し方」についても先輩から教えていただくことができました。
マナーを守りながら、多くの情報を効率よく共有することによって、「楽しく連携できるんだ!」という気持ちを得られることでしょう。
④バイタルサインの様々な(長期的な)変化を知る
今日の体調はどうか?
食事・水分はとれているか?
薬は飲めているか?
を考える上で重要なのが、バイタルサインの変化、です。
その日、その時によって、どのような要因が考えられるのか。仮説を立てながら問診し、リハビリテーションを進めていくことで、要因を特定することができます。
これは、長い視点で(縦断的に)関わることによって感じることのできる、介護保険ならではの視点である、と考えています。
利用者さんやご家族さんとの信頼関係も構築されていることによって、生活を変化できる可能性が、格段に高まります。
⑤人生の大切さを感じる
介護保険で関わるのは、疾患ではなく生活(人生)の一部分です。
介護保険でのリハビリテーションにも、「目標」がある限り、永遠にリハビリテーションを継続することは望ましくありません。しかし、急性期と比較すると格段に長い期間、関わらせていただくことになります。
利用者さんが、それぞれの性格で、家族とともに生活されていた場にお邪魔してリハビリテーションを提供させていただく。
利用者さんの生活を共に「良くしよう」と考えて、行動に移していくことは、人生の一場面を一緒に過ごさせていただくことと同義ではないでしょうか⁉️
ここが醍醐味でもあり、責任の重大さを大きく感じる所です。
その瞬間、瞬間に後悔のないよう生き切る。それをお手伝いするのが訪問リハビリテーションだと考えています。
⑥感謝された内容
身体や疾患に対する疑問が解決できた
早めに関係者に連絡をとってくれて安心できた
話ができて元気をもらえた
デイサービスなどに前向きに参加できるようになれた
動き方を教えてくれて、過ごしやすくなった
もちろん身体の動きについての点も多いのですが、医療と生活の橋渡しをする点や、不安の解消、社会的繋がりの再構築、などの感謝を頂くことが多かったように感じました。
編集後記
やはり、介護保険としてのリハビリテーション、私は大好きだなぁ、と感じました。一方で、「人生に関わる」という重圧の中、関係事業者が肩を組み合って利用者さんと向き合っていく、そんなチームとしての関わりが必須の分野だと感じました。
少しでも「訪問リハビリテーション」を身近に感じていただけたら幸いです。
皆様がより良い環境で成長し続けられることを、心から願っております‼️
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