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熊本・大分旅行記〜阿蘇山ハイクと魚が見れる猫の島〜
お盆期間で九州旅行に行ってきた。期間は4泊5日。登山に川遊びに海水浴と、結果的に「夏全部盛り」みたいな旅行になった。夏の思い出を書き残しておきます。
★主なスケジュール★
◆1日目:熊本・上天草観光(海中水族館シードーナツ)
◆2日目:熊本・阿蘇山ハイキング(南岳・中岳・高岳登頂)
◆3日目:大分・奥岳川でアウトドアサウナ
◆4日目:大分・深島でシュノーケリング
◆5日目:大分から帰る
8月10日(土)
今日から九州旅行。登山サークルの先輩と後輩とぼくの3人での旅が始まる。後輩は九州に住んでおり、先輩は既に現地入りしているので熊本駅で現地集合。ひとり九州へ向かうこととなる。
飛行機を調べてみたところ、お盆期間のため料金が爆発的に上昇していて空いた口が塞がらなかった。片道5万。ひぃ! 鉄の意志で新幹線で向かうことに。
6時間の長旅を終え、昼過ぎに熊本駅に到着。2人と合流してレンタカーで天草方面へ。最初の目的地は「海中水族館シードーナツ」。なんと海の中に浮かんでいる。
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規模は小さいけれど、展示になかなか特色を持たせている。タイが泳いでいる水槽に「鯛めし簡単レシピ」が書かれていたり、ハモやウナギが佇んでいる水槽に「天ぷら・唐揚げのコツ」がスッと添えられている。なんで食べる前提なんだろう。
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飼育員さんの食欲が出てしまっている
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「個人的には大きくして食べた方が絶対に良いと思います」
展示されている生き物の総選挙も行われていた。チンアナゴやタツノオトシゴを抑え、1位を獲得していたのはキナコ(犬)。ここが水族館なのか疑問を抱きはじめる。
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お魚コーナーを周りきり、イルカコーナーへ。なんと、水槽のガラス越しではない「生イルカ」がいた。「えっ、触れちゃいそうだけど大丈夫…?」と思わず不安になってしまうくらいの距離感。
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今会えるイルカ、とんでもなくかわいい。ツルンツルンのスベンスベンだった。抱きしめたいけど「ヌンッ!」って実態を捉えることなく滑り落ちそう。
大満足でシードーナツを後にした。小さな水族館だけど、係員さんたちの工夫や愛情がたっぷりと詰まっている施設だ。
その後は長部田海床路へ。ここは潮の満ち引きが激しいスポットで、潮が引いたタイミングで海から約1キロの道が現れる。ここに夕陽が重なり、それはそれは綺麗なコントラストを見せてくれた。
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ワンピースの作者である尾田栄一郎さんが熊本出身なので、各地にキャラクターの像がある。ここにはジンベエがいた。
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夜は熊本駅周辺へ。名物の馬刺しとからし蓮根をつまみに乾杯。お酒が進むギュッと味の濃いごはんたちばかりの夜。最高だ。
8月11日(日)
朝から阿蘇山へ向かう。元登山サークルのメンバーとして、ハイキングを決行するのだ。正直、登山用のリュックやら登山靴を旅行に持って行くのはとんでもなくめんどくさかった。けれども、九州の山を登るなんて機会はこれからの人生でほとんどないはず。張り切っていこう。
まずはレンタカーで火口が見える展望エリアへ。モクモクと煙が立ち込めており、ガスのにおいがあたりを漂う。想像していた火山がそこにあった。
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ここまでは一般の観光客で賑わっている。だがしかし、我々は登山に来たのだ。リュックを背負い直し、山頂を目指す。
「阿蘇山」という名前は実は複数の山の総称。今回はそれぞれの山である「南岳・中岳・高岳」を目指す。3つの山頂を踏むためには、駐車場から登り2時間半、下り2時間ほど。
登山道は周りの景色が開けていて、開放感が全身を包み込んでくれる。そして登山客が少ない。お盆に帰省でも観光でもなく、山を登るなんて人は少ないのかな。
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ぐんぐんと進み、南岳を越えて中岳山頂に到着。個人的にはここから眺める火口が1番綺麗だった。
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1人で来ていたお兄さんに写真をお願いしたら、ノリノリで10枚くらい色んなアングルで撮ってくれた。大阪から弾丸で来たらしい。山の上だと、自然にはじめましての人ともおしゃべりしてしまう魔法にかけられる。
そこから登ること約20分、最終目的地である高岳の山頂に到着。お昼ごはんの時間だ。カップラーメンを持ってきたので、ガスボンベを使ってお湯を沸かす。すると、黒ずんだ物体が「ヒュッ」と鍋に入り込んだ。カメムシがひっくり返って足を動かしている。
うぎゃああああ! 慌てふためく3人。想定しうる限り、最悪ランキングでいうと割と上位に食い込む事態が起きてしまった。
カメムシのだしが効いたお汁は厳しいので、泣く泣くお湯を沸かし直す。このやりとりの間、漫画のように飛んだり跳ねたり喚いたりしていた。それを近くでヨーロッパ系と思われる海外登山客の女性がひとり眺めており、クスクスと笑いをこぼしていた。恥ずかしい。
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食事を終え、片付けを行う。すると、先ほどの外国人の女性がスッと立ち上がった。こちらをジーッと見ている。口をそっと開いた。
「バイバイ」
3人とも一瞬にして心を奪われ戸惑う。すぐに我に返り、「バイバイ〜」と手を振り返す。彼女は颯爽と山を下っていった。会話をすることはなかったけれど、見えなくて小さな何かで繋がった感覚がした。
そして中岳の山頂で会った大阪のお兄さんとここでも再会し、「またなんですけど…」と写真をお願いした。再びノリノリで10枚くらい撮ってくれた。愉快かつ優しい。
お天気に恵まれたことを感謝しながら下山。そして疲れと共に近くの温泉へ。登山後の露天風呂は「ぷへぇ〜!」という声が漏れ出るほどに気持ちよかった。
疲れた体に鞭を打ちハンドルを握り、大分方面へ向かい宿泊。
8月12日(月)
朝、大分駅周辺から車で出発。約1時間で奥岳川へ。今回の目的はアウトドアサウナ。川辺にあるテントでサウナに入り、温まったあとは清流へダイブするのだ。ずっとやりたかったやつ! 夢を叶えるような気持ちでいざ体験。
爽やかなお兄さんがテントの中で薪をくべてくれており、「今110度くらいっすね!」とにこやかに伝えてくれた。え? 普通のサウナって90度台ですよね? 肉体が溶けちゃったりしない?
おそるおそるテントの中に入る。全身がブワッと熱さに包まれていくものの、段々と心地よさに変わっていく。汗がだくだくになったところで、テントを飛び出す。目の前の川に飛び込んだ。こんなに躊躇なく川に身を委ねるのははじめてだ。
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プカプカと浮かびながら、全身の力が抜けていくことを感じる。このまま整ってしまったら、心地良さでブクブクと沈んでしまいそう…。ズシリと重心が歪んでしまうほどの快楽がよぎった。
サウナを満喫したあとは別府方面へ。日帰り温泉に浸かった。今日1日の気持ちよさレベルが高すぎて全身がベヨーンとちょっと伸びた気がする。
帰りに回転寿司屋で少年のようにお寿司を食べまくる。メニューに大分名物「やせうま」というデザートがあった。これは小麦粉を薄く伸ばしたほうとうみたいなものに、きな粉がまぶされている食べもの。
おいしくて満面の笑みで食していたら、後輩に「やせうまがこんなにヒットしてる人はじめて会いました」と驚いていた。みんな大好きじゃないのか、これ。
8月13日(火)
大分駅から車を走らせて約1時間で蒲江港へ。フェリーに乗って、目指すは深島。ここは人口11人、猫60匹という小さな島。島好きの血が騒ぐ。
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深島に向かう前にお昼ごはん。道の駅で買ったお寿司をいただく。
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そしてフェリーに乗り込み30分。海面が深い緑色に輝く美しい島に到着した。
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島をテクテクと歩く。コンビニもなければ、自販機もない。しかも住民が11人で、さっきフェリーに乗ってきた人が20人くらいだから、今この島には30人くらいしかいないんじゃないだろうか。ふと自分たち以外誰も見えなくなる瞬間が多々あって、時間がのんびりと流れていく心地がした。
島唯一のカフェ「でぃーぷまりん」へ。ここでシュノーケリングの体験をさせてもらう。予定の時間まで少しあったので、外のベンチでゆっくりと待った。
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シュノーケルマスクとフィンなどをレンタルし、いざ海へ。ガイドさんが2人で案内してくれた。ガイドのお姉さんに「いつからこの島にいるんですか?」と質問してみる。すると、夏に似合うニコニコとした表情で答えてくれた。
「猫が好きで旅行に来たんです。そしたら海と魚の綺麗さにビックリして。普段は大阪で普通にサラリーマンしてるんですけど、ゴールデンウィークとかお盆はこっちに来てます」
圧倒的にマリンスポーツの人に見えたので、「猫から入ったんだ…」とビックリした。そして、お姉さんはふっと海を眺めがら続ける。
「ここ、電波も通りにくくて。大阪のごちゃごちゃしてる感じとか、仕事のこととか全部忘れられるんです」
なんだかいいことを聞いてしまった。この島の魅力がギュッと詰まったセリフだ。ワクワクとした気持ちが高まっているのを感じながら、いざ海へ。
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透明度が高く、海独特の怖さを全く感じない空間だった。奥に奥に行きたい気持ちがどんどん湧いてくる。しかもすぐに会えたのはクマノミ。生で初めて見た! ガイドさんがウニを割り、エサとしてあげていた。
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ガイドさんに案内されたスポットへ泳ぐと、サンゴやたくさんの魚たちに出くわした。ここって沖縄なんでしたっけ…?
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しかも推し魚の数々に会えまくり、ぼくの心の中のさかなクンが「チョウチョウオちゃん!!」と力の限り叫んでいた。
◆会えたお魚(名前がわかるののみ)◆
クマノミ、ルリスズメダイ、ソラスズメダイ、カゴカキダイ、ハコフグ、ハリセンボン、ダツ、チョウチョウオ、ハタタテダイ、オヤビッチャ、キュウセン、アオブダイ、カワハギ
大満足でシュノーケリングが終了した。お姉さんがこの島で働いてしまう理由がわかる。ガイドが終了した後も、「シュノーケルはしばらく使っていいですよ。帰りのフェリーに間に合えば」と言っていただき、潜り続けた。全体的にゆるい。
海から上がり、シャワーを浴びて港へ向かう。島に上陸したときはあまりいなかった猫たちが増えていた。
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お世話になったカフェのお母さんやその子供たち、ガイドさんに見送られてフェリーに乗り込む。短い時間だったけれど、この島を大好きになった。忙しない日々に溺れそうになってしまったとき、ここに戻ってきたい。
8月14日(水)
大分駅から特急&新幹線で帰宅。6時間の移動で、今回の旅を振り返る。
夏に来れてよかった。阿蘇山ハイキングも、サウナから川に飛び込んだのも、島で魚を間近で見たのもこの季節だから全力で味わえた。
暑い日が続いてうんざりしてしまうけれど、ぼくはやっぱり夏が好きだ。自然に対して全力で足を踏み出せる時期だと思う。そう感じさせてくれる旅だった。
また夏を100%で味わいたいときは、九州に飛んで行こう。