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パンみみ日記「こたつの弊害」
日々のできごとをかき集めました。パン屋に置いてある、パンの耳の袋のように。日常のきれはしを、まとめてどうぞ。5個くらいたまったら店頭に置きます。
11月5日(火)
歯医者へ。親知らずを抜く。日記をしばらく読んでくれている人は「こいつはどんだけ抜くんだ」と思っているでしょう。放置していたのを今年バンバン抜いてるんです。ただこの3本目でラスト。とうとうここまで来た。
いろんな兼ね合いで、歯医者を変えた。診察は数回してもらったものの、ここでの抜歯ははじめて。ちょっと緊張する。
待合室でふと壁にサインが飾ってあるのが目に入った。飲食店ならわかるけど、歯医者も書いてもらうことあるんだ、と不思議がりながら眺める。すると、ぼくの好きなアーティストのサインを見つけた。
え? どゆこと? ここで診てもらってるのかな。そんなわけないよね? 「ここに通ってますよ」なんて情報さらさないよね? でも一時的に歯医者来ることある? PVで歯医者出てきたことあったっけ?
数々の疑問が生まれたけれど、とりあえず勇気が出た。
診察が始まってからは「緊張してますか?」「ゆっくり深呼吸しましょうね」「子供も大人もドキドキするのは一緒ですから」などと声をかけてもらった。
(欲しかったのこれこれ〜!)という気分になった。ぼくは歯医者ではまだまだ子どものように、大切に扱ってほしいらしい。
歯は無事に抜けた。よっしゃ。
11月6日(水)
仕事終わりに歯医者へ。抜歯したところの消毒。助手のお姉さんがニコニコとたくさん話しかけてくれた。
「大丈夫でした? まだ食べものとか詰まっちゃうと思うんですけど、うがいしすぎたりしないようにしてくださいね〜! こんなこと人に言いながら私、ピンセットでかさぶたごと取って泣いちゃうほど痛くなりました〜!!」
愉快な歯医者だ。ここにしてよかった。
11月7日(木)
仕事終わりにスーパーへ。ある棚の前で立ち止まる。
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「おいしいおどん」なる得体の知れない存在が安さに挑戦している。
「水戸にはこんな郷土料理があったのか…?」と驚きつつ、商品を手に取る。普通に「おいしいうどん」だった。新しい食べものに出会えた胸の高鳴りを返してほしい。
夜ごはんはあったかいうどんにした。おいしかった。
11月8日(金)
家。こたつを出した。例年より早い気がする。去年はいつ、こたつ布団を広げたんだろう。今年は日記に書いたから振り返れる。
半身を包み、じんわりと温かさが広がる自分だけの空間を噛みしめる。こたつはいい。だがしかし、こたつの弊害を思い出した。
(皿洗いのやる気が起きなさすぎる)
ぬくぬくゾーンから抜け出し、冷えたキッチンに向かうなんて。誰がそんなことできるんだろう。
ゴロゴロしぬいた金曜日の夜。
11月9日(土)
行きつけの喫茶店へ。マスターに「おっ、なんかいい髪型じゃん」と頭をさわさわされる。親戚のやりとりっぽい距離感に心の中で笑みをこぼす。
しばらくすると、小さな女の子たちを連れた4人家族が入店してきた。ちびっこ姉妹は着物に身を包まれ、コロコロとした笑顔を振りまいている。そうか、七五三か。
マスターとマダムがかけ寄り、「ミキちゃんかわいいね〜!」「ミクちゃんも似合ってるよ〜!」などと声をかけている。
ふうん。名前を覚えられているんだ。「この子たちに常連力で打ち勝たねば」とライバル心を抱いた。
大人気ないね。
11月10日(日)
しながわ水族館へ。久々にイルカショーを見て興奮した。毎回思うけど、どうやってパフォーマンスを教えているんだろう。トレーナーさんも見本を見せられるわけではない。先輩イルカの背中から学ぶのかな。
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ある水槽では、大々的に火災予防運動を実施していることを訴えていた。何がどうなってそうなったんだろう。
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海の生きものたち、子どものときからずっと好きだ。
*
夜にミネ君(真顔で冗談を言う親友)と合流。サイゼリヤで各々好き勝手にメニューを注文しまくる。3時間ほどおしゃべりした。9割恋バナだった。女子高生なのかな。
フラッと集まってサイゼでお腹を抱えて笑うなんて、あとどれくらいできるんだろうなと考える。でもまだできてるんだから、いっか。
【編集後記】
サイゼリヤのペペロンチーノを食べるたびに「思ったより辛いな、次はタラコソースシシリー風しよう」と思うのに、またペペロンチーノを頼んでしまう。なんでだろう。