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【短歌】俵万智さんの「かぜのてのひら」/「会うまでの時間 自選歌集」を読んで


俵万智さんのこちらの歌集を読みました。
有名な歌はこれまでも目にすることはありましたが、改めて味わうことができました。

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四万十に光の粒をまきながら川面を撫でるかぜの手のひら

頬の雪はらいてくれる指先をたとえば愛の温度と思う

百枚の手紙を君に書きたくて書けずに終わりかけている夏

背に揺れる水筒の中の水音を体内音のように聞きおり

第1歌集『サラダ記念日』の刊行から4年間、24歳から28歳までに詠んだ歌が収録されています。

四万十の歌は、実際には手はないけれどまるで風が川を撫でていて、水面がきらきらと光っているという歌。目に浮かぶようですね。

学校の先生として働かれていたころの、生徒との会話や場面を詠んでいる歌もありました。そのときにしか読めない歌ということ。


もう一つ、自選歌集も読みました。
「会うまでの時間」


「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ

親は子を育ててきたと言うけれど勝手に赤い畑のトマト

「嫁さんになれよ」だなんて缶チューハイ二本で言ってしまっていいの

さよならに向かって朝がくることの涙の味でオムレツを焼く

こちらの本でもそうですが俵万智さんの歌は恋愛の歌も多く、ほかの歌人の方もそれぞれの短歌はご本人のことなのか、誰かのことを詠んでいるのか創造なのか…わからないところもまた面白いですね。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
ではまた




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