【短歌】「海のうた」を読んで
こちらは現在活躍されている歌人100人が詠んだ、海の短歌100首が収録された2024年発行のアンソロジーです。
海といっても100通りの海の風景や物語があって、それを一気に読めるという特別感がありました。
どれも素敵なのですが、一部紹介させていただきます。
大丈夫わたしもさっき起きたとこ、ところでこの星、海があるのね
鳥さんの瞼
かつて海だったこの道を歩くかすかに残る水かきを振り
紺屋小町
海をぜんぶ吸い込むための掃除機に今朝シロナガスクジラがつかまる
吉岡太朗
海を見よ その平かさたよりなさ 僕はかたちを持ってしまった
服部真里子
敬称略
服部真里子さんの一首では、海はあんなに広く奥の奥まで続いている。ときに穏やかに、ときに荒々しくかたちを変えてずっとそこにある。
しかし人間を含め生き物は形があるからいつかは壊れる、体がなくなってしまう。
でも、かたちがあるから美味しいものを食べる幸せもあるし、やりたいことができる。
人間は他者との関わりがあるからどうしても悩むことはあるけれど、そんなときには自然に触れて(還って)リフレッシュできるといいですね。
もう一度波に差し出すまだきみがわたしの前にいた頃の靴
岡崎裕美子
アマゾンで激安だったツナ缶のマグロは海を覚えてるかな
上坂あゆ美
心電図の波の終わりにぼくが見る海がきれいでありますように
木下龍也
敬称略
岡崎裕美子さんの一首は、かつて一緒に過ごしていた方がもうそばにいないこと、いないけど海に相手の残していった靴を持ってきています。
自分では処分ができないから波にさらって欲しいのか、居なくなった相手が海をみたかったけど叶わずそれを代わりにやっているのか。
どちらにしても寂しく、海の音だけが響いてきたように感じました。
木下龍也さんの一首、長い人生の最後の日は穏やかな波でありますように。本当にそうですね。
こちらの書籍は相互フォローさせていただいている月見だいふくさんの記事でご紹介されていて、月のうたの歌集と合わせて読みたいと思っていました。
ありがとうございます✨
それからわたしの読書の記事をひいろさんがご自身のマガジン【ほんがたり•陽彩の本棚】などに追加くださることもあり、とっても嬉しく思っています。
可愛い画像もいつもありがとうございます😊
わたしの記事をヒントに短歌を作ってくださったことも。
時間差…すみません🙇♀️
また、重吉陽一郎さんの「傑作コレクション」に【上坂あゆ美さんの「老人ホームで死ぬほどモテたい」を読んで】ほか、そらみさんの「気になった記事」に【西の魔女がしんだを読んで】の記事をマガジン追加いただけたこと、とてもうれしく感謝しています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ではまた