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【データサイエンス】データ分析でビジネス利益を生み出すための考え方

はじめまして、東京のベンチャー企業で現役エンジニアをしているてんぴといいます!
今日は、このnoteを読んでいただきありがとうございます!


早速ですが、まず最初に1つ伝えさせてもらいます。

これから先、データ分析スキルはビジネスマンとして『当たり前』になっていきます。


実際に「統計学が最強の学問である」の著者である西内 啓さんや、「イシューからはじめよ」で有名な安宅 和人さんは以下のように言っています。

“データサイエンティストは今は”セクシー”かもしれないが、あと10年もすれば当たり前になる。”  
西内 啓:株式会社データビークル 取締役

“既に米・中のトップ大学では学部に関係なく、大半の生徒がデータ解析関連の授業を学んで卒業する。そうしないと彼らが望むような就職先には応募すらできない。” 
安宅 和人 :Yahoo株式会社 CSO(Chief Strategy Officer)


また近年、日本でもデータを制する人が市場を制する構造が作られてきており、2022年のビッグデータ分析市場は、1兆5,000億を超えるまで拡大すると言われています。

したがって、データ分析について学ぶことは必須と言えます。


しかし、上記のようにデータ分析の重要性が唱えられる一方で、正しいデータ分析の考え方を学ぶ機会は殆どないという現状があります。

そのため、以下のような悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。

・データ分析って、何からしたら良いのか分からなくて手を動かせない...。
・どのデータに着目して分析していけば『良い分析』になるんだろう...。
・データ分析のゴールがわからないから、迷子になってしまう...。


このような悩みを持った方々の気持ちはよくわかります。筆者も学生時代は同じ悩みで苦しんでいました。


ですが安心してください。
本noteで解説する『データ分析の考え方』を習得すれば、「データ分析ってこんな風に考えれば上手くいくんだ!」と頭が整理されるようになるはずです。

そして、センスのある仮説が立てられなくても十分に『良い分析』はできる、という事実に気づいてもらえれば嬉しいです。


前提知識はほとんどないので是非最後まで読み進めてみてください。それでは始めていきましょう!


✳︎ 本記事は、実際のデータ分析手法ではなく、データ分析における重要な考え方を扱った記事になっています。


データ分析の目的とは

とても重要である一方で、意外と意識されていないこととして「データ分析の目的」が挙げられます。

皆さんはデータ分析の目的はなんだと思いますか?

・売り上げを高めるための、知られざる事実を明らかにすること
・経営陣を説得するに十分な知見を集めること
・何か現状を変えうるだけの影響力のある情報を知ること

もしかすると上のような意見もあるかもしれませんね。
この他にも、もっと色んな回答が出てくると思います。

ただ、それらの多くは間違っていないけど、本質ではないことが多いです。

では、本質的な回答とはなんなのか...?


それは『意思決定をするため』です。


まず初めに、この目的をしっかりと頭に入れておいてください。

『意思決定をすること』をゴールとして意識することで「何を知ればいいのか」がクリアになり、データ分析をしている途中で迷子になってしまう、といった事態は避けられるようになります。


『何がどうなったら嬉しいのか』を整理する


データ分析の目的が理解できたところで、次に考えるべきは『何がどうなったら嬉しいのか』ということです。

これはつまり、なんのための意思決定をするのか を整理することだと言えます。

データ分析のゴールである意思決定に関する情報が曖昧だと、良いデータ分析はできません

とはいえ、いきなり抽象度の高い話をされてもピンと来ない方も多いと思うので、具体的な例を出してみましょう。

基本的には、以下のような粒度であれば十分だと思います。

・商品の売り上げが増えたら嬉しい
・営業成約件数が高まったら嬉しい
・在庫破棄が減ってくれたら嬉しい

これを読んで、「え、こんな簡単でいいの?もっと具体的に整理したほうがいいんじゃないの??」と思う方もいるかもしれません。


しかし、その考えはむしろ危険です

これ以上細かく整理してしまうと、自分が立てた仮説に都合の良い結果が集まるようにデータ分析を誘導してしまうようになりかねません。
もしそうなってしまったら、『良い分析』など一生かかってもできるようにはなりません。

そのため、例のように大枠の方針だけ整理しておけば良いのです。


データ分析では『状態の違い』が重要


ここまで整理できたら、これから先は実際のデータを触りながら分析をしていくことになります。

実際にデータを触り始めると、膨大な量のデータを前に「なにから分析していけばいいんだ??」と混乱する人が多いのではないでしょうか。

この場合、以下の項目に取り組んでもらうと良いと思います。

・コントロールしたい対象は何か、を整理する
・上記対象の『望ましい状態』のデータを集める
・上記対象の『望ましくない状態』のデータを集める

ただ、これだけでは分かりにくいと思うので、ここから先は「商品の売り上げが増えたら嬉しい」という条件の例を想定してお話を進めていきます。

まず、コントロールしたい対象を整理していくわけですが、今回であれば、人なのか商品なのか、といった観点がパッと浮かびやすいですね。

人であれば、商品をよく買ってくれる顧客の特徴を理解し、その特徴の顧客層を狙っていく。
商品であれば、よく売れる商品の特徴を理解して、その特徴の商品を多く仕入れ集中的に売り出していく、といったことができるようになります。

ちなみに、コントロールしたい対象の切り口は、人・商品以外にもあることは忘れないでください。
コントロールの対象を考えるときには、以下の5項目から整理していってもらうと良いと思います。

・WHO(人)
・WHAT(物)
・HOW(施策)
・WHEN(時間)
・WHERE(場所)

コントロールしたい対象が決まったら、次は、対象の『望ましい状態』のデータを集めることになります。

これは、商品であれば「売上高が高い商品」のデータをたくさん集めてくることになります。
当たり前ですが、人であれば「購入額の高い顧客」のデータをたくさん集めることになります。

同様に、『望ましくない』データも集めてきます。
これは「売上高の低い商品」や「購入額の低い顧客」に関するデータに相当します。


2つの対極にあるデータが集まったら、次は『どこ(どの特徴)が異なっているのか』の観点で集めたデータを調査・分析していきます。

この観点での分析により、『望ましい状態』が持つ特徴がわかってきます。
(具体的な分析手法等は、この記事の扱う範疇ではありませんので割愛させていただきます。)

そして、この『望ましい状態』が持つ特徴というのが、意思決定においてはこの上ないほど重要なものになるのです


望ましい状態を目指した意思決定をする


『望ましい状態』が持つ特徴が分かってしまえば、あとは簡単です。

「コントロールしたい対象を望ましい状態に近づけられる」施策について意思決定を行っていけばいいのです。

このようにすることで、記事の冒頭で整理した「何がどうなったら嬉しいのか」の理想状態に近づけるようになり、価値のあるデータ分析を行うことができるようになります。


まとめ


以上がデータ分析の重要な考え方になります。

「え、これで終わり?簡単すぎない??」

と思う方もいるかもしれませんね。

確かに内容はとても簡易なものになっていますが、この基本が抑えられていないと、膨大なデータを前に混乱してしまったり、意味のない知見を見出したりすることになるのです。

僕個人の感覚としては、こういった基礎を押さえずに高度な分析手法等に手を出してしまうがために、データ分析を難しく捉える人が多いように感じます。

”単純=無駄がない”とも言えるので、本記事で紹介した内容を軽んじずに重要な内容として理解しておいていただけると幸いです。


最後になりますが、本記事の内容についてのまとめになります。

・データ分析の目的は意思決定のためである
何がどうなったら嬉しいのかを整理する
コントロールしたい対象を決める
・『望ましい状態』と『望ましくない状態』の違いを見つける
・『望ましい状態』に近づけるような施策の意思決定をする


長々と読んでいただきありがとうございました。
データ分析が難しい、と感じる方にとって少しでも参考になる記事になっていれば幸いです。

また、本記事をきっかけにデータ分析に興味を持ってくれる方が増えることを願っています。

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