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『瓶に添えて』

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『瓶に添えて』


居なくなってしまった
儚げな君
赤い薔薇が似合う
花を切る細い指と鋏

切り落ちた花びら
一瞬の
こぼれ落ちた今を見届けて
君は何を想ったの


煙草の火が消えても明日はそっと近づいて
煙のように離れない過去と共に目覚めて

染まりゆく壁紙をさりげなく色付ければ
また明日も見られるわひっそりと咲く夢


瓶に挿した
一輪の赤い生き物
忘れたはずの
君を思い出す



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