夜未だき

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          ‪手を滑らせて落ちていくグラスを眺めながらも何も出来ないみたいに、摩耗した感情が解像度を下げていくのを見ていた。水面の揺らぎが消えたわけではないのだけれど、シャッタースピードの遅すぎるカメラのような思考では追いつくことが出来ない。‬感情にも思考にもどちらにもピントは合わず、ピンボケを味とも思えず、それでもシャッターを切り続けることをやめられない、壊れかけのカメラ。 なんてことを、気づけば幾月にいっぺんくらいしか思い出さなくなり、毎日そこそこ楽しく働き、ぼちぼち暮らしを保ち、

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