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よる
2023年1月20日 17:05
彼の故郷の家の、目の前にある道の名前を憶えている。覚えていようとしておぼえているのではなくて、ただ、彼の紡いだ言葉が私の体から抜けない、それだけのことだった。もうひとつも気持ちが残っていない、彼自身を思い出しても惨めに思うだけのはずなのに、何故か彼の故郷には、惹かれていってしまうのだった。それはたぶん、彼が私に残した故郷への思慕、嫌悪、そしてそれらとわたしとの間には、越えられることのない隔たりが
2021年8月5日 03:12
寝苦しい夜がつづく。気候のせいもあるかもしれないけれど、パニック障害の症状が再び出始めたことによるものが大きいように思う。以前は、電車の中や大学内の講堂でのみ出ていたにも関わらず、最近は、家の中にいても発症するようになった。ずっと首を絞められているような感覚がして、呼吸ができない。というより、呼吸の仕方を忘れる。心拍が上がって、酸欠になり頭痛がする。家の中だから、慌てることなくじっとしてい