④『"労使協定関連"で守るべきルールは何?』
おはようございます。Yorozu屋社会保険労務士オフィス代表の萬屋です。
9月1週目は『法令に則った労働環境とは?』というトピックについて投稿していますが、4日目の今日は『"労使協定"で守るべきルールは何?』について纏めます。
労使協定は、耳慣れない方もいらっしゃるかもしれませんので、とっつきやすいようにQ&A方式で纏めます。
労使協定ってなに?
企業側と労働者側の双方が、労働に関する"例外的な約束"について合意し、書面で締結するものです。
"例外的な"の意味は、法律通りであれば罰則の対象になるような労働条件について取り決めて例外として実施できるようにする、という意味です。つまり、法令の範囲内で対応できない場合に労使間で締結するのが労使協定です。
労使協定の労働者側は、誰が対応するの?
労使協定は、労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数代表との間で書面により締結する必要があります。
従業員代表になることができる従業員って?
事業場の全従業員(管理監督者も含む)の1/2を超える人が支持していること。
管理監督者ではないこと。
労使協定を進める場合に抑えるべきポイントは?
労使協定を締結する際には、労働者の代表が適切に選出されていることが重要です。労使協定が適正に締結されていないと評価されるケースの多くが、「適正に従業員代表が選出されていない」です。
労使協定には労働基準監督署に届出が必要なものと不要なものや、有効期間の定めが必要なものと不要なものがあります。
従業員代表の適切な選出方法は?
事業場の全従業員(管理監督者も含む)に、従業員代表を選出する目的を事前に説明します。例えば、36協定を締結するためなどの目的を明確にします。
従業員の話し合い、挙手、選挙による投票など、民主的な方法で従業員代表を決めます。
※細かくは、立候補者がいる場合と立候補者がいない場合で流れが異なります。
従業員代表ってどんな役割を担うの?
従業員代表は、労働者の意見を企業に伝える役割を担います。
労働条件の改善や労働環境の向上を目指し、労使間のコミュニケーションを円滑にするための重要な役割を果たします。
適正に従業員代表が選出されていないと判断されるのはどういうケース?
従業員代表の募集時に選出する目的を伝えていない。
民主的な選出が行われていない。
使用者の意向に沿って選出されている。
選出された従業員代表が誰なのかを従業員が知らない。
適正に従業員代表を選出していないとどうなる?
適正に従業員代表を選出しないこと自体についての罰則はありません。
但し、適正に従業員代表を選出していなければ労使協定が無効となります。
結果として企業は何らかの罰則を受けることになってしまいます。
労使協定にはどんな種類がある?
時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)
1ヶ月単位の変形労働時間制に関する協定
1年単位の変形労働時間制に関する協定
フレックスタイム制に関する協定
1週間単位の非定型的変形労働時間制に関する協定
事業場外労働に関する協定
専門業務型裁量労働制に関する協定
一斉休憩の適用除外に関する協定
代替休暇に関する協定
貯蓄金管理に関する協定
賃金控除に関する協定
賃金の口座振込等に関する協定
年次有給休暇の計画的付与に関する協定
時間単位の年次有給休暇に関する協定
年次有給休暇手当の支払いに関する協定
育児・介護休業等に関する協定
労働者派遣法第 30 条の4第1項の規定に基づく協定(派遣労働者の同一労働同一賃金に関する協定)
継続雇用制度の対象者に係る基準に関する協定
労使協定と似た名前で「労働協約」というものもありますが、全く別モノなので混同しないようにお気を付けください(「労働協約」は労働組合と雇用主の間の取り決めのため、適用範囲は組合員に限る、等)。
それではまた明日!
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