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寺田寅彦『柿の種』
寺田寅彦といえば物理学者でありながら、夏目漱石の弟子として、随筆家、俳人としても有名な方です。
「吾輩は猫である」の水島寒月、「三四郎」の野々宮宗八のモデルといわれています。
「天災は忘れたころにやってくる」は有名な言葉。
物理学者としては「金平糖の角の研究」というのもあるようです。
この「柿の種」は俳句雑誌の巻頭に書いていた短文を集めたもので、内容的には取り留めのない短い文章です。
「なるべく心の忙しくない、ゆっくりした余裕のある時に、一節ずつ間をおいて読んでらもいたい」という思いがこめられています。
私が好きなのが、
『「ダンテはいつまでも大詩人として尊敬されるだろう。
……誰も読む人がいないから」と意地の悪いヴォルテールが言った。
ゴッホやゴーギャンもいつまでも崇拝されるだろう。・・・・・・
誰にも彼らの絵がわかるはずがないからである。』
凡人の負け惜しみっぽいのがいいです。