読書記録
実は読書じゃなくて聞き読、聴読です。アマゾンのaudibleを使って読書と外国語の勉強をいっぺんにやってしまおうという欲張ったトライ。
聴読が終わったのは「シルクロード」という題名の本。原題は"Silk Roads: A New History of the World"で著者はPeter Frankopan氏。本はシルクロードをめぐる歴史地政学。特に後半はイラン、イラク、アフガニスタンなどをめぐるアメリカの政策を批判しています。私が聞いた(ついつい「読んだ」と書いてしまいそう)のは仏語版です。英語あんまりできないから、、、
でね、聴読後このPeter Frankopanさんが誰だろうと検索してみたんだけど、あんまり浮世離れしてるものだから笑ってしまいました。だって、ユーゴスラビア生まれのクロアチア大貴族であるお父さんと国際法教授であるお母さんの次男。イートンスクールを出てケンブリッジ大学とかCorpus Christi College, Oxfordで博士号などを取得。なんてもう純正の英国エリート教育コース。お姉さんはLady Nicholas Windsorと言ってウィンザー侯爵の息子さんの御夫人。奥さん(もちろんいいとこの人)と二人でA Curious Group of Hotelsというホテルを経営。パリにもホテルを持ってて、そのレストランはミシュランの星を獲得。などなど。きっと自分の旅行に使うんでしょうけど。ま下々の生活とは関係ないお人達。フランスでも貴族の称号を持つ人が歴史関連の本を出版することは多いけれど(例えば元首相のヴィルパンなど)、こういう人たちは中東やヨーロッパの歴史が自己の家系の歴史にでも見えるのかな、と平民はやっかみ。
以上、フランコパンさんについてのウィキ記事が無いようなので、参考までのゴシップです。著作も和訳は無いようです。残念。評判高い本だからそのうちに和訳が出版されるかも。フランス語で聞いた限りは面白かったですよ。地中海に視点を移す歴史書としてはフェルナン・ブローデルの「地中海」が有名ですけど、これはさらに視点を東に移して中近東を主な舞台に。もちろん中国も出てきます。ちょっと文章が美文すぎて私には調子が高すぎる個所がありましたけど、特に後半部。でも興味深く聞き終えました。特に米国の中近東政策などは教えられることが多く、また忘れていたことを指摘されることも多々、勉強になりました。
この聴読の後に選んだのはDavid Graeberの"Debt - Updated and Expanded: The First 5,000 Years"。米語ですね。少し勉強しょうと思って。。。
こちらも評判高い本で和訳も出ています。題名は「負債論 貨幣と暴力の5000年 (日本語) 」となっています。でも高い!6600円!!!買えないよ、こんな高いと。やっぱ、英語は勉強すべきですね。文化を安く入手できる。英語で読めれば知識のコスパが良くなる!英語を勉強しよう!
デービッド グレーバーさんはずっと庶民的な人ですね、Wikipediaで見る限りは。お父さんはスペイン戦争に参加したこともあるオフセット印刷工、お母さんは、なんだろう、お針子さんかな?二人とも"self-taught working-class intellectuals"とあるから「独学の労働者階級知識人」だったとのかな。この辺のこと日本語版のウィキには言及がない。二人ともユダヤ系の人。デービッド グレーバーさんはニューヨーク生まれでベニスで死亡。訃報のニュースを見てこの人のものを読んでみたくなって。
まだ聞き始めたばかりだから感想は無し。言えることはただ一つ「米語を聞き取るのは難しい~!!!」。だからキンドル版を購入するつもりです。キンドル版はハードコピーに対して省略しているフレーズがあったりして本当は嫌なんだけど、本を注文すると二三カ月かかるというものだから、しょうがなく。
今日は長くなったのでこの辺りで。ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
絵:アナログデッサンをCLIP STUDIOで処理。ネコってパソコンの冷却ファンの出口に居座るのが好きですね。
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