野良猫が「帰るべき家」
わたしはその日の午後もピア通りの角にあるBIOショップに立ち寄り、スペルト小麦の丸いせんべいみたいなガレットを買った。そしてそれを持っていつものように、勝手に「宇宙ステーション」と呼んでいるちょっぴりミッド・センチュリー風のアパルトマン群の前を通り過ぎて、ビュットショーモン公園へと向かった(時刻は大体いつも午後の6時頃だ)。
6時という時間帯は不思議だ。母が言うには私が子供の頃、毎日大体この時間になるとなぜだかしくしく泣く出したという。母はちょうど夕食の支度に忙しいころで、