忘備録
やりたいことがいっぱいあるの。ついていけない体がもどかしい。頭ばかりが100メートル先を走っている。私の体は悲鳴をあげてクタクタのボロ雑巾みたいになっていた。15年くらい置いてけぼりにしてボロ雑巾をさらに痛めつけていた私はようやく自分の体がボロボロだったということに気がついた。それから約束をしたのだ。体と一緒に歩いていこうと。頭は実態を持たず思考の旅に出れるから、妄想でどこへでも行けるし、なんだって出来る。やりたいことを想像しては布団に横たわるしか出来ない今の自分に悲しくなりながら、それでも夢見ることはやめられず、やめずに今日まで生きてきた。今日までどのようにして生きてきたのかそれを全部知るのは、自分しかいないのだ。どんなに愛する人であっても、生きてきた全てを知ることは叶わない。どんなに知ってほしいと願っても、自分とずっと一緒に生きてきたのは自分だけなのだ。悲しい事実だけれど、それが他者への想像力になればそれはかけがえのない宝物になる。寂しさだって愛おしい。自分の寂しさを抱きしめることはまだ出来ないけれど。寂しさの横にそっと座って一緒にぼ〜と何をするでもなくただそばに居ることは、出来るんじゃないか。そうやって自分の寂しさと一緒に居られるようになったら、誰かの寂しさや孤独にも思いを巡らすことが出来たらそれは奇跡と呼んでも良いくらいすごいことだ。関わるだけが全てじゃなく、そっと誰かの寂しさや孤独や悲しみや切なさややるせなさ、悔しさやどうしようもなさ、言葉に出来ない感情を何も言わずにそっと認めて横に居られたら。そういう大人にそういう人間になりたいな。
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