入りづらいと感じていたコンビニの常連客になった話
家のまわり、会社の近く、至るところにコンビニがあると思います。
その中で、ちょっと入りづらいんだよな…と感じるところってありますか?
わたしはずっと入れなかったコンビニがありました。
ところが、あるきっかけで入れるようになり、今では常連客になってしまいました。
いったい何が起きたのか、書きたいと思います。
情報のないセブンイレブン
わたしが入れなかったコンビニとは、ずばりセブンイレブン。なのですが、不思議なことに他の場所にあるセブンイレブンには入れるんです。
入れないのは、ある特定のセブンイレブンだけ。
いわゆる裏通りの古いビルの1階にあり、入り口が狭い。でもそれ以上に、「なんか嫌な感じ」がする…。
ただ、客足はとぎれず、わたし以外の人はスイスイ入っていきます。
なぜ二の足を踏んでしまうのか、自分ではよくわかりませんでした。
ある時、この話をパートナーにしたところ「え、ここら辺のセブンの中で一番よく使うけど」と言われて驚きました。
どうしてかたずねると、「店員さんにおばさまがいて、その人がすごくいい感じなんだよね。上品で」とのこと。
わたしは雷に打たれたような気持ちになりました。
あの忌まわしいオーラ漂うセブンイレブンに、そんな上品なおばさま店員さんがいるなんて。
そしてわかったのです。そのセブンイレブンに入れなかった本当の理由が。
場所柄とか祟りとかじゃない。パートナーに聞くまで、情報がなかったからだったのです。
人がほしいのは、ハード面ではなくソフト面の情報
どういうことかと言うと、わたしにはそのセブンイレブンの情報がゼロでした。
外観から受けるイメージはありました。それにセブンイレブンなんだから、品揃えもわかる。
でも、それは情報としてはハード面なんです。だから正確に言えば、ソフト面の情報がゼロだったということ。
パートナーから聞いたのは、店員さんの雰囲気や店の利用しやすさのような、もっと主観的なもの。
こういうソフト面の情報を、わたしは求めていたのです。
たとえば、気になるカフェやレストランは口コミを調べますよね。
その際、メニューや味はもちろん、接客や雰囲気なども「行くかどうか」を判断する重要なポイントです。
一方、セブンイレブンはどうでしょう。気軽に入れるコンビニゆえに、わざわざ口コミは調べません。
だから、パートナーがくれた「店員さんに上品なおばさまがいる」というソフト面の情報は貴重でした。
ちょっと会ってみたい。わたしの気持ちはすでに、「行く」に傾いていました。
「入りづらい」は「入りたい」の裏返し
翌日、いつものようにそのセブンイレブンの前まで来て、また驚きました。
敬遠していたはずの店は、様子が違って見えたのです。
そこはもう「情報がなく異様に入りにくいセブンイレブン」ではなく、「上品なおばさま店員がいるセブンイレブン」になっていました。
もちろん実際に変化したのは店ではなく、わたしの印象です。
どうしてコロッと印象が変わったのか。自分で体験して気がつきました。
「入れない」「入りづらい」と感じるのは、裏を返せばすごく「入りたい」と思っているからなんだと。
そもそも強い関心があったんですよね。わたしは無意識に、見えない壁を壊してくれるきっかけを探していた。
パートナーから提供されたソフト面の情報が、ちょうどいいスイッチになったというわけです。
おばさま店員さんは、評判通りとても上品で物腰が柔らかく、わたしは一瞬で好きになってしまいました。
本当の気持ちって、ネガティブな気持ちの裏に隠れているのかな。
毎日このセブンイレブンを利用するたび、そんなことを考えます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。面白かったよ〜という方はスキやフォロー、コメントをぜひ。よろしくお願いします。
文:シノ