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気が利く人は、問題を先回りして解決している
「気が利く人は、仕事ができる」という言葉。
それを実感したできごとがあります。
先日、ギンザ・グラフィック・ギャラリーにて佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉を見てきました。
佐藤卓さんはグラフィックデザイナーで、「明治おいしい牛乳」や「キシリトールガム」のパッケージなどを手がけてきた名の知れた方。
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ギンザ・グラフィック・ギャラリー
日本のデザイン業界を牽引してきた人の脳みそをのぞける本展は、デザイナーじゃない自分でも楽しめる内容で、学びがたくさんありました。
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私の中でとても印象に残ったのは、中の展示物ではなく、外のガラスに印字された言葉でした。
銀座のギャラリーに誘う気の利いた一言
佐藤卓さんの展示で印象的だったのが、写真のガラスに印字された言葉。
— よりみちコピーライター (@yorimichi_copy) June 10, 2022
ギャラリーって外から見ると、なにやってるかわからないなって自分も思うから、こう言われると入りやすいし、一言入れるあたり気が利く人なんだろうなぁと思う。 pic.twitter.com/q0t7pamzyH
ギャラリーを覆うガラスにはこう書かれていました。
デザインの展覧会をしています
どうぞお気軽にお入りください
これを見たときに、とても気が利く人なんだろうな〜と思いました。
私は以前から美術館に比べて、ギャラリーってすごく閉鎖的な空間だなと感じていました。
オープンしていても看板が人目につかない場所にあったり、あっても通りすがりの自分には何の展示かよくわからず、気になっても入るハードルが高い。
ですが、佐藤さんの展示会が開催されたギャラリーは賑わっていました。行く前はわりと業界人向けの展示だと思っていたのですが、ふらっと入ったような人もいたので、この言葉が効いてる感じがします。
つまり、私みたいに「ここ展示やってて気になるけど、知らないし入りづらい〜」と思った人の不安を取り除いてくれる言葉を、佐藤さんは一番外から見えるガラスに意識的にデザインしたんだと思います。
空いてるグラスに水を入れる?
私の体験で言えば、友達とご飯を食べていたときのこと。
ふと友達のグラスを見たら、空になっていたんです。
そこで私が水を注ぐと、「ハギって気が利くよね」と言われたんです。
謙遜ではなく自分の周りにはもっと気が利く人がいるので、「気が利く」と褒められてちょっと驚きました。
たとえば、席を譲る、ドアを開ける、落とし物を教えてあげる。
そういう気遣いをしてる人っていると思うんですよね。今noteを読んでくれているあなたや、あなたの周りにいる人でも。
この差って何だろうな〜と考えたんです。
じゃあ、気が利くと言ってくれた友達は私の空いたグラスを見ていないだろうか?
目には入ったかもしれませんが、"気づいていない"んですよね。もしくは、水は自分で入れればいいと思っている。後者でも全然いいと思います。
でも「あ、空いてる!」と気づかなければ、水を入れる行動にはつながらない。もっと言うと、自分が水を入れれば相手が水をグラスに入れる手間が省ける、と意識していないとやらない。
つまり気が利くためには、
気づく→先回りして相手のために行動する
というプロセスがあり、そこには観察力と行動力が求められています。
佐藤さんの展示で言えば、「ここって入っていいのかな?」とギャラリー前で迷う人の悩みに気づいて、先回りして「デザインの展覧会をしています どうぞお気軽にお入りください」という言葉をかけているわけです。
言い換えれば、気を利かせることで、誰かの問題を解決していると言えます。これが「気が利く人は、仕事ができる」根拠だと思いました。
気の利いた文章を書こう
文章を書くときも一緒です。
文をシンプルにして読みやすくしたり、わかりやすい例えを使うとか、そういうのって全部、読み手への気遣いなんです。
「なんか読みづらい」「いまいちわかりにくい」と思わせないように、相手がつまずきそうなところを観察して、考えを巡らせて書く。
そのためにはまず、「この文は読みにくいかも」「ここってもっと違う書き方をしたほうがわかりやすいかな?」と、自分で気づかないといけない。
気づけるようになると、文章が磨かれて、多くの人が見てわかるものになっていきます。
私もまだまだなので、まずは観察力を磨いていかねば・・・!と胸に刻みます。
文:ハギ
@よりみちコピーライター
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