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コピーライターが体験した怖いしくじりを話します。
怖い体験をしました。
心霊とかじゃなくて。
おそらくコピーライターにとって一番怖いこと(かもしれない)。
コピーライターがいろんな意味でゾッとする瞬間
コピーライターにとって一番怖いこと、ズバリそれは・・・
コピーライターじゃない人の考えた案が、
コピーとして採用されることです!!!
(全コピーライターが共感の嵐)
どういうことか説明しましょう。
広告作りは基本的に分業です。超ざっくりですが、プランナーが企画を考えて、コピーライターが言葉を考えて、デザイナーが絵を考えます。それぞれが自分の役割に最善を尽くし、チームで意見を交換しながら、より良いクリエイティブを作り上げていきます。
役割が分担されているものの、アイデア出しのときは職種関係なく自由に意見を出し合うため、他の人の提案が「いいね!」と採用されることがあります。これはコピーライターに限らず、広告業界の人なら体験したことがあると思います。
なぜ怖いのかというと、コピーが他の人の案に決まってしまうと、コピーライターとしてやることがなくなる可能性があるからです。
たとえば、コピーライターがデザインのアイデアを考えることはできても、形にして見せることは難しいです。イラストレーターやフォトショップのようなツールが扱えないから。実際にビジュアルを作るのはデザイナーなので、他人のアイデアだとしても、デザイナーは最後まで自分の仕事があります。
逆はどうでしょうか。
デザインのような専門技術と違って、言葉は誰もが扱えるものです。
宣伝会議賞がわかりやすい例ですが、特にキャッチコピーやネーミングのような短い言葉だと、コピーライターに限らずそれなりのものを考えることは可能です。
他の人が意見を出すのはウェルカムですが、細かい言い回しまで完璧だとコピーライターとしてはいじりようがない・・・。
実際に、最近の仕事でこの状態になりまして、「うわ〜やっちまった~」となったのです。
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自分の案を通すか、他人の案を尊重するか
コピーライターになって数年経ちますが、今までで一番苦戦した案件です。とあるプロジェクトのコピーを考えるもので、薬機法や医療に関するさまざまな配慮が必要で、一つ一つの言葉選びに頭を悩ませました。
チーム内で提案を繰り返しますが、なかなか合格点に達せず、3回目となる再再提案でも、全体のまとめ役であるクリエイティブディレクターに渋い顔をされます。
クライアントへの提案日も迫っていたため、みんなでコピーの案出しを行うことに(打ち合わせ時間も延びて心の中で土下座)。
営業やデザイナーも含めて「こんな言い方もアリですか?」とその場で意見を出し合います。
みんなで頭を悩ませる中、営業がふと発したワードが、「今までにない角度かもしれない!」となりました。
自分も意見を出しましたが、営業の案のほうがしっくりきたので、そちらに賛成しました。
ここで注意したいのは、自分のコピーじゃないからと言って、他人の意見を批判してしまうのはダメです。
広告はクリエイターのものではなく、クライアントのものであり、広告を見る人のものだからです。自分の意見を無理に通すのではなく、チームでベストなクリエイティブを作り上げることが優先だと私は思います。
コピーライターが考えたものであろうと、そうでなかろうと、見る人にちゃんと伝わる言葉でなければ意味がありません。
クリエイティブディレクターが「全員で案出しをしよう」と言い出したのもそのためです。
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でも、言葉の引き出しは一番でありたい
クライアントにコピーを提案したところ、営業の案は選ばれず、もともと考えていた自分の案に決まりました。
ですが、打ち合わせの段階で難航してしまったのは、間違いなく自分の力不足だなと痛感しました。
コピーライターである以上、他の職種の人よりも言葉の引き出し、つまりは表現のバリエーションを多く持っておかなければいけません。
そこで、日々のインプットや課題に対する論理的な思考力が試されていると思いました。
複雑な案件ほど1人の力では難しいですが、プロとしては乗り越えたい壁です。
今回の”怖い体験”をバネにして、もっとコピーライターとして精進していかねば。
ここまで読んでいただきありがとうございます!みなさんも仕事であった怖い話があれば教えてください〜スキとフォローしてくれたらとっても喜びます。
文:ハギ
@よりみちコピーライター
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