「推し」と「色」の切り離せない関係性
あなたには「推し」がいるだろうか?
推しがいる場合、その人を思い浮かべる「色」はありますか?
私はBTSが好きなのですが、彼らのイメージカラーといえば紫です。その影響か、紫色のものを見ると親近感を覚えることがあります。
「推し」と「色」の関係性は昔からありました。
たとえば、アイドルのコンサートでは推しの色のペンライトを持っていくのが定番です。
推しを応援する活動、いわゆる「推し活」が定着した今、この「推し」と「色」の関係性は一層強くなっていると感じます。
その要因は、SNSが発達したことで、色の重要性が再認識されているからだと思います。
色の派手さ・鮮やかさは、SNSの「映え」に欠かせない要素ですよね。
写真や動画など、ファンがSNSを通じて推しへの気持ちを表現するときに、イメージカラーはとても大事な要素になっています。
「自分を表現する色」と「相手を投影する色」
色は人に対して使うとき、2つの側面があります。
1つは、自分が好きな色、自分に似合う色といった、自分が軸になったもの。
具体的には、
・黒が好きだから黒い服を買う
・自分のラッキーカラーを身につける
・パーソナルカラーで化粧品の色を選ぶ
などです。
もう1つは、だれかを連想させる色、推しに使う場合は、「推し色」「推しカラー」と言ったりもします。これは他人が軸になったもの。
具体的には、
・好きな人がよく身につけている色を自分も身につける
・推しのイメージカラーである飲み物を買う
などです。
前者は「自分を表現する色」であり、後者は「相手を投影する色」であると言えます。
今回は後者の「相手を投影する色」として、推しと色が結びついた事例を3つ取り上げて考察したいと思います!
事例1:BTSを象徴する色? iPhone12のパープル
新作のiPhone14Proのディープパープルがきれいだと話題になっていますが、それよりも前に発売されたiPhone12のパープルも、とある理由で話題を呼びました。
BTSをイメージさせるカラーとしてTwitter上で話題に!
このツイートを見た時は、私も心が動きましたね(笑)。実際、ARMY(BTSのファン)が購入したとつぶやく投稿も見かけました。
普通は自分の好みで選ぶと思いますが、「推しの色だから選ぶ」というのが面白いなと思います。
スマホは肌身離さず持つアクセサリー的な役割もあるので、推し色によって好きな人を身近に感じられる。そう考えると、推し色を選ぶのはファン心理として当然なのかもしれません。
事例2:色で構成されたコンセプトホテル「toggle hotel」
2021年に水道橋に開業した「toggle hotel(トグルホテル)」。
特徴はなんといっても色です。84室あるゲストルームは、すべてバイカラーでデザインされています。
これは映えるし、話題にもなりますよね。ホテル側で明言はされていませんが、SNS上での映えは絶対に意識して作られているに違いない。
ここは推し活の場として利用されることがあります。実際に私の知り合いは、推しの誕生日に推しカラーである紫色の部屋を予約して、お祝いをしていました。
ホームページを見ると、ホテル側が推し活を勧めているわけではなさそう。
下のツイートのように、推し活に使えるじゃん!という口コミが回って、このような使い方が流行ったのだと思います。
でも東京ドームの近くに作られたということは、オタクがターゲットだったりするのかも。そうだとしたら、見事に成功した戦略ですよね〜。
事例3:オタクの願いで生まれた象印のボトル
「シームレスせん」を搭載した象印マホービンのステンレスマグ。この商品には深いい話があります。
カラーバリエーションが豊富なこちらの商品。実は、発売当初になかった色が存在します。
その1つがパープルです。
このパープルが出た経緯が非常に面白い。
きっかけは、一人の女性のツイートでした。
彼女はKing&Princeの岸優太さんのファンで、メンバーカラーの紫色がほしいとつぶやきました。
そのツイートに対して、公式アカウントから「貴重なご意見ありがとうございます」と同日に返事が来ました。
これが2020年の出来事。
それから2年後、公式アカウントがこの女性に対して、パープルが新色として展開されることを報告!
女性の方も喜びの気持ちをツイートにしています。
推し色を求めた消費者の要望が叶って、商品化につながったという素敵なストーリーが生まれたのです。
ツイートのいいねは11万を超え、多くの人が心を動かされた瞬間とも言えます。一企業が個人に対してこのようなアクションを取るって珍しいし、すごいことですよね。
推し色の注目度、そして需要の高さがわかる事例だと思います。
推し色は、推しマーケティングに結びついている
3つの事例から、推しと色の関係性はSNS映えと連動して、購買意欲につながっていることがわかります。
推し活する人をターゲットにした、「推しマーケティング」「推し消費」という言葉も生まれています。
「推しマーケティング」「推し消費」の経済効果は、一昔前の「オタク」が好むアニメなどのキャラクターによる経済効果を大きく上回り、その規模は数百億円とも言われています。
需要が高いことを見越して、さまざまなビジネスにつながっているんですね。
これからも「推し」と「色」を結びつけた商品やサービスは増えていくだろうし、それによって推しと色の関係性はますます強くなっていくと思います。
みなさんも好きな色があったら、理由と合わせて教えてくださいー!
文:ハギ
@よりみちコピーライター
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