【理学療法士おススメ】筋トレの王道・スクワットのメリット(OKCとCKC)
【動作・歩行・呼吸の専門家】である理学療法士として、身体の歪みや不良姿勢が及ぼす身体への影響や、生活における悩みとの繋がりについての解説と、その改善方法・予防方法として、【運動や、生活に取り入れてほしいこと】もあわせてお伝えしています。
わたし自身が女性ということもあり、特に女性の身体と心についての投稿を主に書いています。男女問わず、もしよければ「ちょっとした悩み事」や「○○について知りたい!」などのコメント・リクエストなどもいただけると嬉しいです。
脳は【変化】をストレスに感じること、さらに女性は毎月【変化】が起こるので、よりこの【変化】による影響へのケアが必要だということ、そして疲れを取るために簡単な運動をしよう、とお伝えしています。
先日は、「理学療法士の専門ど真ん中」でもある【筋トレ】について、身体と心に与えるプラスの影響と、実際にスクワットに取り組む際のポイントを投稿しました。
理学療法士視点で見ると、実は【スクワット】には身体にとってのメリットが多いのです。少し専門的な話になりますが、書いていきたいと思います。
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普段、私たちの身体が動くときには、複数の筋肉や関節がそれぞれの動きをサポートするように連動しています。
スポーツの動作が分かりやすく、例えば投球動作では、足を踏み込み、そこで踏ん張って発生させた力を【足関節→膝関節→股関節→体幹→肩関節→肘関節→手関節→指関節】の流れで、力がスムーズに伝わるよう効率よく連動させ、速い球が投げられるように身体を動かしています。
このように、複数の筋肉や関節が連動して動くことを【運動連鎖】と呼びます。【運動連鎖】には【開放運動連鎖(OKC:open kinetic chain)】と、【閉鎖運動連鎖(CKC:closed kinetic chain)】の大きく2種類があります。
【開放運動連鎖(OKC)とは、簡単に言うと身体の最も末端の部分(足や手)が地面や壁などに触れておらず、固定されていないものを指します。
OKCの代表例は、普段だと手で物を取る動作になります。筋トレだと、ダンベル運動や、腹筋、カエル足エクササイズなどがOKCに当たります。
一方、【閉鎖運動連鎖(CKC)】は簡単に言うと身体の最も末端の部分(足や手)が床や壁に接し、固定されたものを指します。
筋トレだと、腕立て伏せやスクワットが該当します。普段私たちが立って行う家事などの時、実は下半身は閉鎖運動連鎖を行っています。
OKCを利用したトレーニングにおいては、【狙った筋肉をピンポイントに鍛えることができる】ことや、体重がかからないので【負荷をコントロールしやすい】ことがメリットです。
一方で、【狙っていない筋肉は刺激されない】ため、全身を鍛えたい場合は複数のメニューが必要になります。また、動作自体の質やパフォーマンスを上げることには直接的に繋がらないため、鍛えたからといって身体の使い方が変わったり、動作姿勢が変わるには工夫が必要になります。
CKCを利用したトレーニング(スクワット)では、複数の関節や筋肉を使いながら動作を行うため、【日常生活やスポーツの動作に近い状態でトレーニングを行う】ことができます。体重がかかることにより負荷も大きく出来るので、効果も目に見えやすいでしょう。
一方で、どんな姿勢が自分の身体に合っているのかが分からず、正しいフォームができていないと、目的としている筋肉に十分な負荷がかからず、他の関節や筋肉で代償してしまうことがあります。そのため、「しっかりと効果を出していきたい」「身体の使い方を覚えたい」というときは専門家の指導があることが望ましいでしょう。
とはいえ、CKCトレーニング(スクワット)を取り入れることで、しっかりと下半身全体を使えますし、同時に普段の動作や身体の感覚も変わっていきやすいため、自重トレーニングで気軽に取り入れていくことをおすすめできると考えています。
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運動習慣作りや自分の姿勢や身体の歪み、呼吸法などの把握・改善はとっても地道ですが、「しっかり取り組もう、改善しよう」と思われた場合は、やはり客観的な指導があることが一番効率的かと思います。
動作・歩行・姿勢・呼吸の専門家である理学療法士視点を入れて、一度ご自身の身体をチェックしてみることはいかがでしょうか。
現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズ、おすすめのトレーニングもお伝えできます。マンツーマンですと、より細かくお身体に合わせたアドバイスができますので、お気軽にご相談ください。
また、もっと知りたいことやわからないことがある場合も、是非コメントや連絡いただけると嬉しいです。