【理学療法士と知る】仙骨と生理痛のカンケイ
【動作・歩行の専門家】である理学療法士として、身体の歪みや不良姿勢が及ぼす身体への影響や、生活におけるの悩みとの繋がりについて解説し、その改善方法・予防方法もお伝えしています。
わたし自身が女性ということもあり、女性にとって特に重要な【骨盤底筋群】や【骨盤】、その周囲の筋肉などについて、歩行や胸郭、また呼吸や生理との関係を投稿しています。
昨日は骨盤の中にある関節、【仙腸関節】と【生理】のカンケイについてお話しました。
本日はこちらに続き、【仙骨】と【生理痛】のカンケイについてお話できればと思います。
まずは、生理周期とホルモンについて。
図の通り、生理後からはまず卵胞ホルモンのエストロゲンが働き、排卵の準備を整えます。
排卵して卵子が子宮に運ばれると、今度は黄体ホルモンのプロゲステロンが分泌され、子宮の中に血液のベッドを作って妊娠の準備を整えます。
このベッドへ受精卵が着床するとそのまま妊娠しますが、着床しなかった場合に、血液のベッドは役目を終えてはがれ落ち、生理として体外に排出されます。
このとき、体外に排出するために子宮の収縮を促すプロスタグランジンという物質が分泌されます。
【骨盤の歪み】があると、骨盤の中に納まっている子宮は圧迫されたり、広がった骨盤に落ちてきた内臓に押されて動きにくくなります。
子宮が動きにくいと、収縮を促そうとしてプロスタグランジンの分泌が増えます。子宮が強く収縮することが、生理痛を強めることになります。
また、プロスタグランジンには血管を収縮させる作用もあるため、分泌が増えると腰痛やだるさ、冷えがひどくなってしまうのです。
ここで、大事な【仙骨】の登場です。
仙骨は子宮の後ろに位置しており、骨盤を構成する骨の1つです。骨盤が歪んでいる時は、仙腸関節を介して仙骨も左右や前後に傾いています。
生理痛軽減のために、そもそもの骨盤の歪み・仙骨の傾きを整えることは言わずもがな重要なのですが、ここを【温める】ことでも、生理痛が改善できるのです。
骨盤の中央にある仙骨の周囲は多数の血管と神経が通っています。人間の身体の中でも最も長く太い神経である坐骨神経もここを通っており、仙骨を温めることで血管も血液も温められ、血流がアップします。
また、骨盤内の子宮も仙骨を温めることで機能が高まり、生理痛の軽減に繋がるのです。どうしても生理痛がつらい時には仙骨のあたりにホッカイロを貼るといいですね。
温めることで血流が良くなることは、もちろん重要なことですが、やはり大元の骨盤の歪みを整え、骨盤の歪みにくい姿勢や生活習慣になるよう、整えていくことが重要です。
骨盤や身体の歪み、姿勢・動作の改善には、客観的な指導があることが一番効率的かと思います。
ご自分の身体で気になる部分のある方は、動作・歩行・姿勢・呼吸の専門家である理学療法士視点を入れて、一度ご自身の身体をチェックしてみることはいかがでしょうか。
現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズもお伝えできます。
お気軽にご相談ください。
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