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“クリエイティブの原点はその人の本棚から”

毎週土曜の夜はJ-Waveで小川紗良ちゃんの
ACROSS THE SKYを聴いて過ごしている。
日本に居なくても、アメリカでアプリを使って
日本のラジオがオンタイムで聞ける、ありがたいことだ~!
その番組の中に毎回ゲストが影響を受けた本や、
好きな本の一節を紹介するコーナーがあるんだけど
私はそれを聴くのが毎週末の楽しみになってる。

これはもう先週(9/16)の内容だったんだけど
お笑い芸人で日本語学者でもあるサンキュータツオさんがゲストで。
彼の影響を受けた本の一節が
新感覚派で有名な横光利一の文章だった。

真昼である。
特別急行列車は満員のまま全速力で馳けてゐた。
沿線の小駅は石のやうに黙殺された。

『頭ならびに腹』より


すんごいおもしろいなあ!!!って思ったのは
新感覚派、と言われるその表現力に
サンキュータツオさんが注目していたところだった。

急行列車は全速力で走っていて
それはそれはとてもすごいスピードなわけだ。
そんなスピードで走る列車をあなたならどのように表現する?

一般的に、
視点を列車に置いて表すのがありがちなんだと思う。
でも横光利一は「全速力で馳けてゐた」とまず列車を擬人化し
視点を小さな駅に置いて
列車により「石のように黙殺された」と駅までもを擬人化してる。
石ってほんとになんにも言わないし動かないじゃんね、
だって、石、なんだもの。
そんな石みたいに、驚くこともできずなにかを言う事もできず
「黙殺」されるほどのとてつもないスピードだったってことを
その一節に表したってわけだ。

だんだかめちゃめちゃ感動してしまった。
スル~っと読んじゃってそんなに深く考えたことなかった。
タツオさん「文章のディテールを楽しむ」って言ってた。
その見方は私の中で無かったかもしんない、
うわ~~素敵だあ、、と衝撃だった。
どうしても本を読んでいると話のストーリーが気になり
そこだけに注目してしまう。
それも良い楽しみ方ではある。
でもそっかぁ、新感覚派と称される文豪たちの作品の楽しみ方は
やっぱり細部に注目してこそなのかもしれないし
別に流派とか関係なく
作家さんによってどんな表現法で文章にしているのか
あえて注目することも面白い読書の仕方だよなあ、
広い世界がまた広がってしまったなあ!
なんてことを感じた私の土曜の夜だったのでした。
実に良い時間でした、刺さっちゃって。
あとやっぱり横光利一はいいよね、
私は『蠅』で命の重さとは、を凄く考えさせられた。
大好きな作品です。


インプットにアウトプット、
色んな発想ができる人間になりたいね、
豊かな人は素敵だよほんと。
毎日バッタバタだけどやっぱり本読みたいね。






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