ながいきのひけつは・・・「気力じゃ!」
私は仕事柄、後見人になることがある(現在20人弱の方の後見人になっている)。
後見人が付くくらいだから、被後見人の方は、心身ともに弱っている方が多い。
勢い、施設に入っていただく、あるいは入っている方がほとんど。
ご様子を伺いに、お部屋に行っても寝たきり状態で、起きておられるの眠っておられるのか、わからない状態のことも多い。
もちろん私の顔など覚えておられない。
言葉を発してもあ〜うに近い状態の人も。
正直、見るのが辛い。
こんな状態の人でも、恋をしたり、仕事をしたり、喜んだり、悲しんだりしておられた時期もあったはずだ。
そう思うと、何か無惨なものを見るような気がして、見たくないとさえ思う。
そんな思いを抱きながら、施設の人と話をしていて、こんな弱った方ばかりを見ていて辛くないですか、みたいな話をした。(ちょと、まずかったかもしれない。)
そうしたら、「いや、100歳ぐらいでも、元気一杯の人が何人もいますよ。」と明るく言われた。
「えっ、そんな方が何人もですか」
「ええ、紹介しますか」
「ぜひ」
連れていってもらった部屋には、おばあさんが3人で雑談しておられた。
聞くと96歳、98歳、102歳だった(と思う)。
施設の人が、私が、歳を取っても元気な人がいると聞いて、ぜひ会いたいと言うので連れてきたと紹介してくれた。
話してみると、皆さん本当に元気。
頭もしっかりしておられる。
いろいろ話して感心しながら、聞いてみた。
「長生きの秘訣はなんですか」と。
何か枯れた心構えみたいなものが、かえってくると思っていたと思う。
「おしえてやろう。それは、・・・気力じゃ!」
「気力のないのは、死ぬわい。」
のう皆の衆という感じで、98歳のお婆さんが、残りの二人に顔を向けた。
「おお、そうじゃ」
でした。
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