これから活躍する個人が身につけるべき「ではなく構文」
こんにちは。米川(@yoneshi0320)です。
これから求められる人材「バフ人材」。彼ら彼女らが発揮する「バフ(=チームの能力を最大限発揮させる行為)」に関するnoteです。
バフ人材とは?は、こちらをお読みください。
今回は、バフの発揮に必要な要素、「仲間の理解」について。
1分で読める要約
主語が大きい問題
昨今メディアは「大企業は方針や戦略をきちんと示していない」「日本の人材はパッとしない」などと言及します。が、ほんとうにそうか?と思うのもしばしば。
ぼくの周りには素晴らしいビジョンと戦略、多様なメンバーで業績や株価をあげているチームや個人が多数見られます。そしてその差がなんなのかを考えたぼくの結論。それは、「ではなく」を活用できているか否かでした。
「余白」が多いと味わい深い一方……
毎年爆増するスマホの容量。いまや1TB(テラバイト)も普通になってきました。映像がもっとも多く容量を消費し、写真、文字(テキスト)と続きます。つまりデータ=情報が多い順に、映像 > 写真(画像・図式) > テキストです。
ではテキストが劣っているかというと、そんなことはありません。テキストはデータが少ない分、思考に「余白」を持たせます。小説や物語の余白にぼくらは想いを巡らし、心躍(おど)らせ、素晴らしい体験をあじわいます。
一方、その余白は曖昧さを生み出します。例えば「今日の会議は意見が多く出た」は、一人の人からたくさん意見が出たことなのか、全員から意見が出たことなのか、昨日の会議よりも意見が多く出たことなのか、判断がつきません。
すべきでない思考/行動こそ、定義する
ことビジネスにおいて曖昧さは、基本避ける対象です。Aという指示が人によってBやCに捉えられては、正しく戦略が実行されません。
経済メディア「NewsPicks」を運営する株式会社UZABASEは、自社が大切にする価値観を「31の約束」として設定しています。
面白いのは、他社でよくありがちな「すべき思考/行動」だけでなく、「すべきでない思考/行動」を定義している点。これにより、価値観のテキストから曖昧さの排除に努(つと)めています。
個人にも求められる理由
ここまで読んで、勘のいいあなたはすでに気づいていると思います。これをあなた個人やチームに応用するのが、冒頭の「ではなく構文」です。
「チームはわかる。しかしなぜ、個人にもこの考え方が求められるのか?」
そう思う方もいるでしょう。ぼくのこたえは簡単で、「(個人が)相手の頭の中に印象強く残り、長期的に選ばれるため」です。多くのビジネスは相手よりも、自社/サービスを長く選んでもらうことが目標の一つですしね。
たとえばあるWEBサイト を作るプロジェクトで、コピーライターさんの力を借りる必要があったとします。次の2名がいた際、あなたならどちらを長く選びやすいでしょうか?
相手の頭に印象強く残るか?
「WEBサイトの条件/クライアント特性による。」は、その通りです。ですが、思考を少し前に伸ばしてみましょう。
Aさんはおそらく条件に当てはまりそうなとき、要件定義のためチャットや打ち合わせをする必要がありそうです。さらにそれを踏まえて顧客に「Aさんのどんな経歴やスキルの提示が、今回のプロジェクトで一緒にやることの納得性が高いか」を、こちらが考える必要も。
(もちろんAさんが考えてくれる場合もあります。が、クライアントをもっとも知っているのはここではあなたとします)
対してBさんは、目の前の条件では合わないかもしれません。が、もしあなたが
・売上500億円ほどの中堅企業から
・社員の一体感を醸成するなんらかの施策を要望されたとき
Bさんは真っ先に思いつくはず。
優れた企業は「Aである(=Bでない)」がすぐわかる
企業のマーケティングにおいて、STPなる概念があります。
・S=セグメンテーション、つまり市場を分割して
・T=ターゲティング そのなかでターゲットとなる市場=顧客のあつまりを定め、
・P=ポジションニング その顧客にどう認知してほしいかを決める
大事なのは、狙わない市場、狙わないターゲット、狙わない認知をそれぞれ決定することです。
Appleと聞いて、家庭用洗剤市場や70代の要介護者、安くて機能が絞られている認知をする人はいません。(Appleからそう言われてないのに)、
・S=スマートフォンをはじめITサービスの市場で
・T=創造性を発揮したい人々が
・P=多少高くても創造性を最大限発揮できるプロダクトとして
MacやiPhoneを購入するのです。
「ではなく」がある人は、相手に優しい人
例に戻ります。
もちろん、コピーライターさん側にたって、目先で仕事が欲しい場合もあります。そのために自分の経歴や実績を拡大解釈して、相手=クライアントやプロジェクトリーダーに伝えるのは、なんら悪いことではありません。
しかし、中長期でキャリアや優位性を築けるかの観点でいえば、あまり良い手ではありません。選択肢がすくないことは、むしろ、相手への優しさであり、翻(ひるがえ)ってあなたの生存戦略でもあるのです。
コロンビア大学ビジネススクール教授シーナ・アイエンガー氏の著書「選択の科学」のなかで有名な、「ジャム実験」。ジャムを一度に24種類と6種類陳列したとき、売れたのは後者の陳列、つまり種類を絞った場合でした。人間の脳は選択肢が多すぎると、かえって選択を回避します。
曖昧さのある人を避けたい理由
10万年ある人類の歴史で、わたしたちの先祖は「自分と似たような姿形だが、背景や思考がわからない種族」に殺されてきました。
ゆえに「自分は何者か?」「なにができるのか?何ができないのか?」を自ら言及する。このように、相手が「このひとは(仕事を任せたり一緒にいても)安心だ」を判断するための、脳内リソースを削減することは、人が根源的に求めていることの一つです。
「ではなく構文」をつかい、あなたが中長期的にキャリアを築きスキルを磨いていけるのを、愉しみにしています。
まとめ
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次回は2022年01月23日(日)更新予定
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