ファン(創作漫才)
A:ファンを増やしたい。
B:ファン1人もいませんもんね。
A:悲しいこと言わないでよ。
B:でも本当のことです。
A:知らないだけで、隠れファンがいるかもしれないよ。
B:なるほど。
A:隠れファンの方〜、隠れてないで出てきてくださーい。
B:呼ばなくていいですよ。出てきたら隠れファンじゃなくなるから、そっとしておいて。
A:そもそもなんで隠れてるの。
B:知らないですよ。恥ずかしいんじゃないですか。
A:私が恥ずかしい存在だとでも?
B:そういう意味もなくはないですけど、わざわざ言うのが恥ずかしいんじゃないかと。
A:今ファンですって言っておけば、間違って人気が出た時に、初期の頃からのファンでしたってマウント取れますよ〜。
B:間違って人気が出たらね、一緒に、にわかファンを蹴散らしてやりましょう。ってそんなファンを煽るような奴、人気出るわけがない。
A:なんでよ。初期からのファンは、にわかファンにマウント取れるって聞いてますけど。
B:そんなことないです。偏見です。
A:それだけが初期のファンを獲得する唯一の方法だったのに。
B:そんな方法でファンを得ようとしないでください。
A:他にどうやって増やせばいいっていうんだ。ファンを増やす方法なんて習ってない。
B:面白いこと言って、笑いをとって、人気者になってファンを増やせばいいんじゃないですか。
A:面白い=人気者になれる=ファンが増える?そんなわけない。
B:なんでですか。頑張りましょうよ。
A:結局ファンが増えるのって、人柄なんだよ〜!
B:それだけではないとも思いますけどね。
A:面白くて人気もあったのに、何か問題を起こした時に、そんな人だとは思いませんでした、ファン辞めます、って言う人いるでしょ?
B:たまにいますね。
A:やっぱり人柄重視じゃないか。約束が違う。
B:約束はしてませんけどね。
A:何か問題を起こしても、裏で何やってても、面白ければファンだって言ったじゃないか。
B:そうは言ってませんけどね。
A:そんな人だと思ってました、これからも応援し続けますって言う人はいないじゃないか。
B:わざわざ言わないだけで、応援し続ける人は黙って応援してますよ。
A:そうか!だから隠れファンなのか!
B:多分違うと思います。
了