今年のCEATECが見せた「社会5.0」がとても優しかった話
#イベントレポ #CEATEC2019 について。
変なTOP画像だが、これは、今回のCEATECで一番好きだった展示。
三菱電機ブースにあったもの。
AR技術応用 多言語対応 空中喋り描き
これって何?:三菱電機がPRしていた、AR技術を応用した「空中喋り書き」技術
何がすごい?:超!かんたんに、動画やカメラ越しの世界に文字を描くことができる
良くないところ:完成度かなり高いアプリだったのに公開してない(さっさとほしい)
使い方はとても簡単で、まず言葉を喋りで吹き込む。
「言葉が空中に指先から出てきます」
と、説明員の方がきれいな声で言ってくれた。
会場はかなりのノイズがあるにもかかわらず、一瞬で言葉を認識完了。
あとは、指でなぞった通りに、言葉がAR世界に登場する。
(赤○ボタンを押せば、その様子をすべて録画できる)
AR世界上で「X.Y.Z座標」が定められて登場した文字なので、上から映せば、当然文字を上から覗く形になる。
面白い技術だ。
これによって、まず間違いなく、「動画撮影・編集」が便利になることがあるだろう。
本来は、X.Y.Z座標を持った実世界、またはAR世界で一番力を発揮するんだろうけど、平面世界である「動画」でも十分その効果を楽しめるはずだと思う。
なにせ、超簡単。
インスタグラマーやYoutuberは、このアプリで撮影→その場で文字入れをする、というのが主流になるのでは、とさえ思った。
また既存の彼らタレントのやり方が変わるだけでなく、その世界に入る人口も激増すると思う。
この技術によって、機械やPCに詳しくなくても、誰でも自分を表現できるからだ。
極限まで撮影、編集のハードルが下がったので、必要なのは、「スマホ」と「伝えたいこと」だけになる。
フィジカル世界と、サイバー世界の境界は、とっくに溶けてなくなっている。
きっと個性のあふれる面白い世界になる。
さらには、多言語翻訳にも対応。
この写真では、日本語で話をされていた内容が、英語でAR世界に登場している。
ということは、「スマホ」と「伝えたいこと」がある日本の若者が伝えられる影響範囲も、1億→60億へと拡大するということだ。
この技術、すごいと思うけど、素子に分解すれば、特にすごいものはない。
・音認技術
・多言語翻訳
・AR技術
割と昔からあるこれら技術を、誰でも使いやすく・楽しめるように組み合わせただけだ。
でもそれを、このサクサクのアプリで、高精度に実現したのがスゴイって話。
「社会5.0」ってそういうことだと思う
いつのまに5.0も?!って思うけど、生まれたときには、3.0まで終わってたみたいだ。
内閣府のこの資料によると、社会5.0とは、「人間中心の社会」だ。
4.0の情報の時代にも、十分に便利になったけど、「その情報を使いこなすプロ」が必要で、やっぱりまだ、クワ作業感があった。
(動画でモノを表現したくても、編集作業は、2019年現在でもまだまだムツカしい。)
それらの作業は、もうビッグデータとAIと新しい人間中心技術達がやってくれる。
人間は、人間らしさを、自由に表現していくべきなのが、社会5.0だ。
その社会でエライのは、それをブーストする技術(あるいは企画)という薪を、社会のエンジンにくべていく人。
できることが極めてシンプルな、この何気ない展示から、そんな思いを馳せるきっかけになった。
5.0世界の優しい展示達
触覚も伴いながら、ロボットを動かせる技術は、宇宙科学分野の発展だったり、災害現場の支援などに役立つのだろう。
旅行中に家で留守番するペットをあやしてあげたり、離れて暮らす孫の頭をなでたりできるのかもしれない。
人間中心で優しい。
他にも、行動認識だって、AIがやってくれる。
これ、確実に世界全体の運動神経が向上する。
自分自身、高校で野球をやっていた時に、今の高校生みたいに、中村紀洋のバッティング理論をYoutubeで無料で見られていたら、どうだったんだろう!
とても思う。
あの時はまだ、連続写真とか、本とか、ビデオの巻き戻しで学ぶのが精いっぱいだった。
そう考えると、Youtubeの登場だけでも、野球だけでなくあらゆる分野で人類は、成長しているのだと思う。
そしてこれからは、行動認識AIによって、1to1のレッスンまで受けられるようになる!
これまた、これまで出てこなかった才能が掘り出される社会へと繋がるのだろう。
多くの人間の挑戦の機会を生み出していく社会だ。
やはり社会5.0は、優しい。
明日もきっといい日であります。
よんす