幸福なじいじ(掌編小説)
きらきらと光を反射させながら小川がゆるやかに流れる。
白いワンピースを着た少女は、つややかな黒髪を揺らして、来る途中に林の中でちぎった葉を一枚、川べりから投げ入れた。葉は岸からほど近い水面に落ち、案の定、すぐに川の淀みにとらえられてしまったが、特にがっかりした様子も見せず、少女はまた一枚、今度は先ほどより勢いをつけて放り投げた。
小川には石橋がかかっている。その真ん中から放り投げれば、きっとスイとどこまでも流れていくだろう。しかし、少女はそうしない。この橋を使うことを許