溝を流れるもの
強い雨に見舞われ、気温もガクッと下がった土日でしたね。
急激な気候の変化で、体調など崩されていませんか。
さて、今日はこちらのコーナーをお送り致します。
線路に飛び込む代わりに、不思議なプールに飛び込むと、
自身が思い描いた世界に行くことができるというフォーマットの元、
各々で好き勝手に小説を"書き殴る"というこちらの、
「ストレスジャンププール」、略して「#SJP」のコーナーです。
今日ご紹介するのは、こちらの作品です。
団子虫丸 さんの「ゴリラの惑星とゴリラピクニック」という小説の続編。
先日ご紹介した「⑥-1記憶」編の続きで、「⑥-2再会」編です。
"はぁ…
どうしたらいいんだ…
泣かせてしまった
解決ができるのは、他の誰でもない、おれだった…
けど、この1~2年の記憶がないおれには、どうしたらいいのか分からない…"
"目を閉じると、ゴリラのことを思い出した
やけに政治や社会に詳しかったし、こちらの世界と似ている気がする
何か答えや、教えてもらえるんじゃないか?"
主人公が以前目にした、ゴリラの統治する社会。
彼らと主人公をつなぐのは、駅の自販機にある「バナナ」でした。
"ふと、自販機の取り出し口に、黄色い何かが見える
バナナだ!
なんで、あるのかは分からないけど、助かった
取り忘れたのか?
とにかく、一本だけ分けて貰い、食べ始める
気持ちが落ち着き、お腹も満たされると、眠くなってきた"
"「おう、あの時の人間じゃないか!
どうだ、仲直りはできたのか?」
と聞かれ、温かな優しさを感じ、瞳が潤んでくる
人間なんかよりも、よっぽっど、愛情のある生物なんじゃないか
「お、お、おれは、あんたに会いたくて、探してたんだよ。
よかった、会えて…」
と、軽くハグをした"
ゴリラの世界で、かつて話をしたゴリラの仲間に出会い、
思わず感極まってしまう主人公。
著者の作品を拝読する度に感じさせられることですが、
我々は心底、「人間社会に疲れ果てている」のでしょう(笑)。
以前読んだ、東大教授の安冨 歩 先生のインタビュー記事に書かれた、
「強固すぎるシステムは人を殺す」という文言が思い出されます。
ゴリラの社会で再会した仲間に相談を持ち掛ける主人公。
仲間のゴリラは、それに快く応じてくれます。
"「ああ、話しを聞く位なら構わんさ。
気になさんな。それに、仕事を失ったばかりで、今は、自分のことも、
先のことも、考えられなくてな… 何か違うことをしたり、
役に立てることができるなら、気晴らしにもなるさ…」
「ありがとう。恩に着る。」
おれは、自分に起きたことを語った"
主人公はゴリラに、自身が大切に想っていた女性との間に、
いつしか生じた溝について、打ち明けようとします。
"どうしようもなくて、もどかしさもある…
それ以降は、お互いに、ズレや溝を深める話題を、避けるようになった
表面上は、上手く仲良く過ごせているけど、
お互いに言いたいことは、隠したままだった"
"2人の間に亀裂を入れたのは、盛んに報道されている、予防薬だった
職場でも、予約をして服用する人が増え始め、
おれも服用しようと思うんだと、
一緒に食事している時に話すと、彼女の手が止まった"
この物語の世界とは違う話かもしれませんが(笑)、
私の身の回りにも、ワクチン接種をした人は多くいますね。
治験も十分に行われていないワクチンを、
マスコミに促されるままに打とうとは思いませんが、
そこは、感染後の致死率が高い年代の方ほど、副反応のリスクと
天秤にかけて、接種を検討されるのではないでしょうか。
人によって考え方も変わってくるものだと思います。
そうした考えの違いによって、大切な方との間に、
ズレや溝が生じてしまうことも、方々で起こりうることでしょう。
身近な人間関係も、本当に難しいですね。
そのような想いを打ち明けた主人公は、ゴリラに連れられ、
「バナナ食堂」へと足を運ぶことになります。
以上、今回の物語はここまでとなります。
ゴリラの存在を除けば、限りなく我々の社会に近い状況下での、
主人公の日々の葛藤が描かれている作品だと感じます。
皆さんも、ご自身の生活の中で感じられていることと、
シンクロする描写を多く見つけられたのではないでしょうか。
大変面白い作品をご投稿頂き、誠にありがとうございます。
皆さんも普段、線路に飛び込むほどのストレスを感じられていたら、
是非、線路ではなく"不思議なプール"に飛び込んで頂き、
その先に広がる、ご自身が思い描いた世界を堪能してみませんか。
ご自身の人生、過去や将来のことを思い浮かべて頂き、
仮に「全て思い通りいった」としたら、何を起こしたいですか?(笑)
そうした内容を、「#SJP」タグを付された上、
「小説」だと言い張って(笑)、ご自由に書かれてみて下さい。
そちらの作品は、私のnote上で奮って紹介致します。
夏もあと半月。
もはや、何も夏休みらしいことはできそうもありませんが、
皆さんの心の中に、極上のバカンスは眠っています。
素晴らしいリゾートへの招待、心からお待ちしております(笑)。