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少年との再会。ー『たびする木馬』ー<6>

村々を周り続ける移動式メリーゴーランド。ブランも度重なる雨風で色が薄くなり、傷だらけになっていきました。
そんなある日、やさしくブランを抱きしめる身なりの良い老人と出会います。首筋にかかる青色のスカーフと緑の洋服。それは最初の遊園地で出会った、ブランの名付け親の少年でした。

実際の原画の色味は少し異なります。

再会の日は雨模様。遠くには傘をさす人々のシルエットが浮かんでいます。すでにあれから半世紀くらいは経過しているのでしょう。老人となったかの少年も、傘と兼用になる杖を携えているようですが、ブランとの突然の再会に傘(杖)を投げ出すほどの歓喜だったのだと思われます。表情がないはずの回転木馬なのにどことなくブランも嬉しそうに見えます。

背景のメリーゴーランドには、おなじみの仲間がいます。前回のページは見つけられませんでしたが、フクロウも一緒だったようですね。メインストーリーもさることながら背景を観察するのが本当に楽しい作品。牡丹靖佳さん手作りのこの額も作品ごとに本当にぴったりの配色です。

*牡丹靖佳さん直筆サイン入り絵本も販売中です
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牡丹靖佳『たびする木馬』(アリス館)絵本原画展
|会期| 2023年8月18日(金)-9月3日(日)
*会期中、8月22日(火)・25日(金)・29日(火)はおやすみ



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