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東京三鷹にある小さな本屋です。

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【終了しました】7/6(土)13-16時開催 松村真依子「自分のための本を作るワークショップ」第2回

絵本作家・松村真依子さんによる「自分のための本を作るワークショップ」をよもぎBOOKSにて開催します。第1回は5月に創作教室を借りて行われましたが、今回は松村真依子新作絵本「野ばら」原画展の期間中、店休日の店内にて開催します。 「自分のための本を作るワークショップ」第2回 大切な言葉を持ち寄って、小さな絵本を作ってみましょう。 絵が描けなくても、物語がなくても大丈夫。 あなたにとって大切な言葉たちを、一冊の本にまとめます。 今回は前半の1時間を「内気な詩の会」に、そして

    • 繊細なのにユーモラス、見る人をあたたかく包み込むようなちぎり絵

      ただいま5/19(日)まで木村セツさんという奈良に住む95歳のおばあちゃんが制作した新聞ちぎり絵原画展を開催しています。昨年もよもぎBOOKS店内で原画展をしましたし、ここ数年、テレビや雑誌・新聞でも取り上げられていたので木村セツさんをご存じの方もいらっしゃると思いますが、このセツさんのつくるちぎり絵が実に素晴らしいのです。 昨年、原画を見るまでは「A4くらいの大きな紙にちぎった新聞を貼っているのかな」と思っていたのですが、実際はポストカードサイズまたはA5サイズくらいの小

      • ブランの新しい旅。ー『たびする木馬』ー<9>

        こんにちは。今日が原画展最終日なので、『たびする木馬』のご紹介も今日が最後となりました。 私は数ある絵本のジャンルのなかでも、一枚一枚の絵の中にテキストだけでは拾いきれないストーリーがある作品が好きです。見る人がそれぞれの経験や人生観で「こうなのかな」「どういうことなんだろう」と自問自答や反芻ができて、子どもたちはただ眺めて「これが美しいということか」と本能で思える絵本。今回も『たびする木馬』のような素晴らしい作品に出会えて本当に良かったなとしみじみしています。 さて前置き

        • 老人の葬儀。ー『たびする木馬』ー<8>

          穏やかな日常に身を委ねた回転木馬のブランですが、半永久的に姿を留めることができるブランを残し、再会からちょうど10回目の冬の日、優しい老人は息を引き取ります。 この葬儀の場面、絵を眺めているといろいろ疑問が湧いてきます。 背景にはこれまでになかった藤の花のような花が一面に咲いています。しかし藤の花は日本原産で、ヨーロッパに輸出されているのであるかもしれませんが、季節は冬です。冬に咲く、この藤の花のような満開の花がなんなのか、とても気になります。 それから棺を運ぶ黒服の4

          人生の午後。ー『たびする木馬』ー<7>

          少年だった老人との半世紀ほどの時間を超えた再会で、ブランは老人に引き取られることになりました。もう背中に誰かを載せて走ることはありませんし、一緒に旅をした仲間とも離れ離れになりましたが、ブランにとっては居心地の良い穏やかな日々なのでした。雨風にさらされる日々は終わったのです。 まさに人生の午後のような一枚。 この老人の自宅と思われる居場所、置かれているものはかなり豪華な調度品なのだと思われます。ただ老人のほか家族の姿はなく、広々とした屋敷にひとり。成功をおさめた老人の人生

          人生の午後。ー『たびする木馬』ー<7>

          少年との再会。ー『たびする木馬』ー<6>

          村々を周り続ける移動式メリーゴーランド。ブランも度重なる雨風で色が薄くなり、傷だらけになっていきました。 そんなある日、やさしくブランを抱きしめる身なりの良い老人と出会います。首筋にかかる青色のスカーフと緑の洋服。それは最初の遊園地で出会った、ブランの名付け親の少年でした。 再会の日は雨模様。遠くには傘をさす人々のシルエットが浮かんでいます。すでにあれから半世紀くらいは経過しているのでしょう。老人となったかの少年も、傘と兼用になる杖を携えているようですが、ブランとの突然の再

          少年との再会。ー『たびする木馬』ー<6>

          本来の目的と違っても。ー『たびする木馬』ー<5>

          小さな村々をまわる移動式メリーゴーランドの一員になった回転木馬のブラン。ときにはこのように結婚式の舞台として活躍することもありました。 ブランに腰掛ける美しい花嫁。なんとも華やかな舞台ですが人間たちは互いをみることはあっても、ブランたちに目をやることがありません。本来の目的と違っても、それが自分の舞台でなくてもブランは凛々しく自分の仕事を全うし、背中の笑顔に幸せな気持ちになるのでした。 背景をよく見ると黒豚と白鳥がいるのがわかります。彼らも一緒に移動式メリーゴーランドに来

          本来の目的と違っても。ー『たびする木馬』ー<5>

          移動式メリーゴーランド ー『たびする木馬』ー<4>

          2つ目の居場所だった小さな遊園地も、時の流れに逆らえず閉園することになりました。閉園は「リボンの色がうすくなったころ」とあるので、数年もしくは十数年の時間が経過したのだと推測できます。 ブランを含む回転木馬たちは解体され、ブランはここから移動式メリーゴーランドとして転々と村をまわるようになります。 ここでふと、「移動式メリーゴーランド?」と疑問が湧きます。店主は生まれておよそ40年ちょっとですが、移動式のメリーゴーランドを観たことがありません(皆さんはありますか?) ち

          移動式メリーゴーランド ー『たびする木馬』ー<4>

          小さくなる居場所。 ー『たびする木馬』ー<3>

          季節がいくつも移ろうと、だんだんと遊園地に来る人がまばらになり、閉園することになりました。(たぶんあの少年はもう少年ではないのでしょう) ブランは兄弟の木馬たちと離れ離れになり、心沈みながら隣の国の小さな遊園地に引っ越します。 そんな消沈するブランに女の子がリボンをプレゼント。お揃いの素敵なリボンです。これだけで場面が華やぎ、ブランの心にも温かさが宿るのを感じます。 よく見ると、前回ご紹介した黒豚さんには少年とそのお父さんらしき姿が。豚さんはブラン同様人気のようです。ブラン

          小さくなる居場所。 ー『たびする木馬』ー<3>

          ブランを愛する少年との出会い ー『たびする木馬』ー<2>

          冒頭、最初の居場所である花形のメリーゴーランドで悠々と走るブラン。ブランを着飾る装束は鮮やかで、きっと子どもたちの目に憧れの姿に映ったことでしょう。ブランもその眼差しに恥じないよう、背を正して仕事に精をだしているようです。 この街で出会った青いスカーフをした少年は回転木馬のブランをこよなく愛しているのがわかります。そしてこの少年がブランの名付け親です。 ブランの後ろには黒豚に乗って泣いている少年。人の手を介さずに動く乗り物が怖かったのか、豚の乗り心地がいまいちだったのか、

          ブランを愛する少年との出会い ー『たびする木馬』ー<2>

          ブランの最初の居場所 ー『たびする木馬』ー<1>

          2023年8月18日から9月3日まで、現代美術家・絵本作家の牡丹靖佳(ぼたんやすよし)さんの『たびする木馬』絵本原画展を開催しています。 夏の暑い盛りを過ぎてもまだまだ灼熱の太陽は現役続行中。そんな中の原画展なのですが、牡丹さんの作品が季節を問わずとても素晴らしいので原画をご覧になっていない皆さんに(体調にご無理のない範囲で)ぜひ見ていただけたらと思っています。 ここがブランにとって最初の居場所。街には緑がたくさん共存していて、遠くから見てもここが遊園地だとわかる球体のシ

          ブランの最初の居場所 ー『たびする木馬』ー<1>

          『星に絵本を繋ぐ』(雷鳥社)のその先に

          7/29(土)絵本作家・井上奈奈さんと新装版『ウラオモテヤマネコ』の出版社Kissabooks代表・瀧本佳成さんをお招きしてトークイベントを開催します。 井上奈奈さんのトークイベントは当店では2回目です。2020年の夏『せかいねこのひ』(新日本出版社)原画展でも開催しました。その時は私が慣れないおしゃべりに緊張しすぎてご迷惑をおかけした記憶があります。。今回は瀧本佳成さんがバディなのでぐっと踏み込んだ本質的なお話を聞かせてくださるに違いありません。 おふたりは『星に絵本を

          『星に絵本を繋ぐ』(雷鳥社)のその先に