【カオリ】小春日和
思い出した記憶をすくったよ
愛しい気持ちとため息一緒に
吐き出すの
喉から胃へと内側のその内側へ
流し込め
音と情景を流し込め
僕の口は
いつの間にか
君の名前を
叫んでた
叫んで
叫んで
さけんだら
君の隣にいるはずの僕がいう
夜を愛する僕に
あたたかい光を
思い出させるように
ていねいに
ていねいに
大切にすくってあげて
もう一度
思い出して
君はいつも寂しいと言ってくれた
あの時
あの場所
僕は一体なにしてたっけ
ぼくだっけ
あの街に
一人
残って
誰かに偉そう
待ちぼうけ
どうせ叶わないことだからと
期待もせずに
待ちぼうけ
何を待っているかも
忘れてしまおう
そうしよう
君が欲しいと言った名前は何だっけ
君のお母さんが教えた君の名前は
何だっけ
いつだっけ
証拠なんて
あったっけ
腐って蜘蛛の巣張り付いた
頭ん中と
操り人形のびる
きらめくテグスを笑おうか
こんなことを歌ったら
きっと君は困り顔
僕を嫌うかもしれない
なんて
そうぞうしたんだ
君が離れていくことを
僕じゃなくていいよと言ったのは
ぼくなのに
君の隣にいるのは
今は誰
なんて
僕が気にしても
全部ぜんぶ
自業自得
ああ、そうだね
きっと、やっと
ぼくは
恋を
したのでしょう。