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【カオリ】空想前世

ママに泣きついて

今みた夢をボクは正直に話したよ

大丈夫

そう言いながら

優しく頭を撫でてもらったよ

少しずつ落ち着いて

ボクの泣き声に

相変わらず不快示すパパの小言も

遠くなる

嬉しかったから

信じていい夢だとボクは

思った

振り下ろされる巨大な斧

嘆く

誰かの叫びと

一縷の望み

ボクのあとに誰かがころされちゃうと

幼いボクは考えて

泣きついた

そんな夢のお話しさ

不思議な夢を聞きたい

近所の優しいお姉さん

ボクは知らない

誰かのお母さん

まわりまわってママに聞こえる

ボクの空想

ママはいっぱいいっぱいいっぱい

いっぱい

我慢した

いつしかボクは

嘘つきだった

ママが辛そうにボクにいう

「実際にあったことじゃないと

あなたにとっては嘘じゃなくても

嘘なんだ」

泣かなかったよ

わからなかったの

ボクは人とは違うもの

見過ぎてる?

あれもこれも

それは

主張するほど

ママ達の育て方悪いって

ああ なんだ

ボクがいらないって

ボクの本当を知りたくないって

みんな そう言いたいのか

へらへら笑いながら

いつもの公園

静かな公園

誰かをいつか守るための

貯水槽

コンクリ貯水槽と頑丈はがねの網で

閉ざされた

水面ながめて

ちょこんと座り

やっと出てきた涙たち

水と水

惹かれ合うように

流るるそれを

表現しようと出て来る言葉も

きっと

あの人達には嘘なんだ

なぜなんだ

なぜ この国なんだ

何故こんな言葉をボクに覚えさせた

何故こんな文化を教えたの

あの嘆くあの子に会いたいよ

キミはあのあと

無事だった?

ねえ

知ってるよ

もうあれから気の遠くなる時間が経ったと

もう誰かに教えられるの

待つのも

確かめるのも

無駄なんだ

この世は

この世はきっと

ボクにとって

遅い成長望まれる

この違和感 同居させながら

生きなくてはいけない居場所

タイミングを見計らえ

彼等が納得する年に

自分で最高に我慢出来ない年でいい

それすらも彼等が

早熟というのなら

もう

そんなものは気にしない

望まれなくても

ボクが

ボクである意味が

この世にあるのなら

ひたすらボクは

孤独に試行錯誤を繰り返す

幼き巨人として

この星に君臨するさ

それだけさ


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