幼稚園児には「水の呼吸!」も「丸太は持ったな?」も同列にカッコいい
3年ほど前、とある仕事で幼稚園に行った。
園児たちは、当時はブームの真っ最中『鬼滅の刃』ごっこをして遊んでいた。
先生いわく、鬼滅の刃を見たことがない子たちもごっこ遊びに混ざっているそうだ。
なんとなく剣士役と鬼役を決めたら、あとは「水の呼吸!」とか言いながらチャンバラを楽しむ。それがキモであって、作品を見たことがあるかは関係ないらしい。
…じゃあ『彼岸島』でもよかったんじゃねぇの?
話の設定、ほぼ一緒じゃん。
つまり、日本中の幼稚園児が「みんな丸太は持ったな!?」とやってる世界線もあったのだ。すげェ。見たかった。
まぁそうだよね。
幼稚園児には、まだシュールな笑いとか真面目なふりをしたボケ、という概念が育ってないもんね。
ウルトラマンだろうが、ゴム人間だろうが、常にハァハァしながら丸太で戦う戦士だろうが…全部カッコいいヒーローなんだろうな。
児童心理学的には、幼児期に憧れたキャラクターというのは、その人にとっての生涯にわたるヒーロー像となるらしい。男の子は特に。
そういえば、ゴールを決めたサッカー選手なんかが、かめはめ波のパフォーマンスをしているシーンを目にする。
おそらく、世界中のスポーツ選手がやっている。
だから、いいじゃないか。
ツンツン頭でかめはめ波を打つヒーローだろうが、特大の丸太を抱えて暴れ回るヒーローたろうが。
それなのに、鬼滅の刃なら微笑ましくて、彼岸島だと爆笑してしまうなんて…おれは心の汚れた大人らしい。
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