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成功者は「真似る」 ~サルバドール・ダリから学ぶこと

人まねは悪いことか?

人の真似をする、いわゆる「パクる」という言葉を聞くと、それはなんとなく悪いことだと思ってしまう人は多いのではないでしょうか?

人まねなんかせずに、自分のオリジナリティーで勝負しろ、とよく言われます。

人の真似ばかりしていたって二番煎じになるだけで成功はできない、とも言われます。

果たして本当にそうでしょうか?

もちろん商標や著作権など、権利が他者にあるものをそのまま引用したり勝手に使用するのは犯罪です。

それは真似るのではなく、他人の物を盗用するということなので、明確に違います。

その法的なところはしっかりと線引きを意識して、では「真似る」とはどうすることか、そして「真似る」とどうなるのか、私なりに考察してみます。

というのも、先日、あの有名なスペイン人画家、サルバドール・ダリの絵とその説明を読んでいて、ダリの絵について、真似るというか模倣というか、影響を受けたと言えば良いのか、すごい驚きがあったからです。

そこでつい他の画家の絵も、ネット検索したりして調べてみると、驚きの連続でした。

憧れると真似たくなるのは正しい心理

野球少年

子どものころ、たとえばあなたが野球少年だったら、あこがれのイチローがやっているルーティンを自分も真似して同じことをしてみたり、サッカー少年だったらベッカム(古いが)と同じヘアスタイルにしたり、と、あこがれの選手と同じことをしてみたことはないでしょうか?

もちろん外見や仕草だけでなく、その選手が使っているスポーツの道具などは、「〇〇選手が使っているのと同じシューズ」というだけでバカ売れしたりします。

サッカーボールとシューズ

女性なら「あんなふうになりたいな」と思う人気タレントや女優さんのファッションやメイクを真似したりして、それが一世を風靡して流行するのは、昔からよくあることです。

もちろん私も10代のころ、当時ある人気アイドルのへスタイルを真似したり、20代のころは、女性人気ファッション誌のモデルが着ていた洋服を、わざわざそのブランドショップまで行って買ったりしていました。

女性であれ男性であれ、このように多くの人たちが憧れの人の真似をしたり同じものを手に入れようとするから、テレビCMや雑誌や新聞の広告になってきたのです。

最近ではそれが、テレビで見る芸能人ではなく、一般人から生まれた「インフルエンサー」と言われる人たちになっていますが、皆がその人に憧れて真似しようとするのは、日本でも世界でも、昔も今も不変です。

彼ら影響を与える側の人たちにはスポンサーがついたり広告が貼られて、いわゆる「マーケティング」の視点から取り上げられることが多いです。

ですが、その逆方向の視点、つまり真似る側から見て何につながるのか、という目で見てみたいと思います。

すると「真似ること」は、ただマーケティングに踊らされて消費しているだけではない、真似ることで良い意識、向上心につながるのだということが見えてきます。

真似ることを続けると成長できる?

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金メダルを取ったり世界的スターとなったスポーツ選手たちが、幼少期に〇〇選手に憧れて髪型を真似していたとか、✖✖選手と同じNBAに行きたくてその選手のポスターを壁に貼ってずっと頑張ってきたとか、超有名欧州リーグ入団が子供のころの夢だった、という話を、彼らが成功した後に、インタビューなどでよく聞きます。

そういう話を聞くたびに、子どものころからただ一つのことにひたすら集中して、あこがれの選手を追ってひたすら努力してきた彼らの熱意と集中力、根気などに圧倒されると同時に、それだけあこがれ続けられる人やモノがあるって素晴らしい力になるんだなぁと感じていました。

子どものころにちょっとは憧れたり真似したりした人はいたけれど、なりたいものもあったけれど、結局続かなかったりすぐに飽きたりして、また別のことにちょっと憧れてやってみて、そしてまた飽きて別のことへ・・・という中途半端なことばかりしてきた私は、結局ごくごく普通の会社員をやっています。

だが、彼らはずっと「なりたい人」を真似し続けて真似し続けて自分の技術として消化させることができたから、彼らもまた一流選手、一流芸人になれたのです。

そして今は、彼ら一流になった人たちに憧れて、子どもたちや若い世代が彼らを真似しているのです。

真似る循環が人々の成長や発展を促している

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いままでは、このような話を聞いても「その人の精神力、根性、努力がすごいからだ。私とは違うから」で済ませていました。

ですが、サルバドール・ダリの残した名言を見たとき、なんだか腑に落ちたのです。

If You Act the Genius, You Will Be One.
天才になるには天才のふりをすればいい

Those who do not want to imitate anything, produce nothing.
何も真似したくないと思う者は、何も生み出さない

世の人々に天才と言われるダリが、天才のふりをすれば天才になるのだと言うのだから。

独創的な世界を生み出したダリが、真似をしなければ何も生み出せないと言うのだから。

結局、そういうことなのだと思えたのです。

私たちは、憧れの人や有名選手の真似だけでなく、ほかの人の良いところはたくさん真似してみたほうが良いのです。

言われてみれば、そうだったよなぁと思うことは多々あります。

たとえば、私は子どものころからファッションが大好きなのですが、いろいろなファッション誌やモデルたちの着こなしを真似て、あれこれ買って、これにこれを合わせてみたり、とやってきたから、それなりのファッションセンスが身についたのだと思います。

自分に似合わないものを流行だからと着てみたり、ブランド名に飛びついて買った高い服なのに着る機会がほとんどなくリサイクルに出してしまったりと、たくさん真似してたくさん失敗しながら、自分なりに取り入れたりアレンジしたりしてきたから、今は自分のファッションにポリシーを持ち、自分に似合うものがわかってきたのです。

仕事もそうでした。

新入社員のころ、まずは先輩のやっていることを真似て、同じようになってみることから始まりました。

そもそもの名刺の渡し方、電話の対応のしかた、営業のしかた、セールスの言葉づかいなどなど。

そして今、私は新商品企画やマーケティングの仕事をしていますが、今ある自社の製品や、売られている他社商品を買ってきたりして、あれこれ新しいものを企画しているわけですが、この世にないものから何かを生み出してるわけではありません。

ベースになるものがあって、それを異分野に応用してみたり、組み合わせを変えたり、と工夫しながら新たな発想が生まれてくるのです。

つまり、日々の生活でも仕事でも、真似ることをたくさんやってきているわけです。

「真似たもの」を自分なりに組み合わせり、省いたり、付け足したり、ちょっと変えてみたりしたことが、新しいものの創造につながっていくのです。

楽曲のメロディも歌詞も、ユーチューブ動画もブログも、よく聞いたり見たりすると、何となく似ていると感じる箇所はよくあります。

ですがその類似する部分が少しあるだけで「盗作だ、パクリだ」と騒ぐのは正しいことではないと思います。

これだけの情報があふれ、いろいろなものを一般人が簡単にインターネットなどで得ることができる時代に、誰もが見たことも聞いたこともないもの、なんていうものが出てくることはありません。

画期的な新技術と言われるものも、天の啓示で突然出来上がったわけではなくて、もともとあった技術や研究結果を組み合わせ、さらに研究を重ねながら、多くのトライアンドエラーを繰り返して出来上がったものです。

その元には、何か基礎となるものがすでにあったわけです。

成功したければ成功者の真似をしよう

トロフィー

今、副業やネットでの起業がブームです。

そのとき初心者がやること、それは、今すでに先に成功している人の話を見たり聞いたりして、真似をすることから始めます。

さいわい現代は、先に事をおこなった人たちが発信する内容を、本だけでなくあらゆるSNSなどを通して自由に、しかも無料で知ることができる時代です。

まずは真似することから始めてみましょう。

かっこよくなりたければ、おしゃれでかわいくなりたければ、そういう人の服装や態度、話し方などをよく観察して、真似できるところから真似をしてみましょう。

自分のやっている仕事の分野で成功したければ、自分が憧れる人のやり方を真似してみましょう。

真似して取り入れるだけでなく、その人と同じようになった自分をイメージして、なりきってみましょう。

重要なのは、最初は「真似る」ことを意識していたとしても、しだいに真似しているのか、無意識にそのように考えたり行動していけているのかわからなくなるくらいにまで、やっていくことだと思います。

かっこよくなりたいからそのように真似ているという意識ではなくて、すでにあなたはかっこよくなっていると思っているべきなのです。

おしゃれでかわいくなりたいと思っているのではなく、あなたはもうすでにかわいくておしゃれな女性だと信じていられることなのです。

ダリの名言のように、成功者になりたけば、成功者のふりをし続けましょう。

あなたがどう思い込んでいようと、誰にも迷惑をかけません。

そうしているときっと、成功者のふりをしているはずが、成功者になっていることでしょう。



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