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なぜエスカレーターは2列で使われないのか考えてみた

ようくんは、現在「悩まない人の考え方」という本を読んでいます。内容はタイトルの通りで、目の前の問題に対して捉え方や考え方を変えることで、問題を解消できることを説いています。

本書では事例のひとつとして、以下を挙げています。


突然ですが問題です


あなたは車を運転しています。ところが後ろから煽り運転をされている状況です。ここであなたが取れる選択肢は2通りあります。どちらの考え方を採用しますか?


  1. 悪いのは煽り運転をする人。こっちは制限速度で運転しているし、ドライブレコーダーで録画もしている。事故が起きたって相手が悪いことはすぐに証明できるから、こちらが道を譲る必要はない。

  2. さっさと道を譲って、相手を先に行かせる



いかがでしょう?
これは性格によっても選択が分かれそうですよね。

どちらが正解というのはないのですが、本書の立場は、②を採用するべきと説いています。それは「煽られている」という問題を解消するために一番手っ取り早い手段だから、という理屈です。

おそらくようくんもそうすると思います。


エスカレータが2列で使われない問題


さて、この状況、エスカレーターが2列で使われない問題と似ていると思いませんか?理由は急いでいる人のために片側1列を空けるというもの。高速道路の追い越し車線と似ていますね。

さて、ここに「エスカレーターは2列で使うべきだ!」と正論を振りかざす猛者がいたとして、その人が先陣を切って2列で並ぶとしましょう。

すると、後方からは上階へと急いでいる人が近づいてきます。もしかするとイライラされるかもしれませんし、場合によってはトラブルに発展するかもしれません。

もちろん、このような猛者は少数派ですから、エスカレータが2列で使われない問題というのは、急いでる人に片側を空けるという大義名分よりも、むしろ

①他人とのトラブルを避けるため
②前の人に自分も続く(変に目立ちたくない、とくに気にしないも含め)

と考える人が多いから発生するのではないでしょうか?

「問題を回避する」という目線で考えれば①は正しいのかもしれませんし、多数派が正しいと考えれば②も正しいのかもしれません。

ただ②は厄介です。日本は民主主義国家ですから、何か物事を決めるときはみんなで決めることが多いと思いますが、これは同時に「多数派が正しい」という考え方へ繋がりやすいという弊害があります。

「多数派が正しい=片側を空けるのが正しい」と考える人も多いからこそ、エスカレータ2列問題は解決されないのだと思います。片側を空けるのが多数派であり正しいから。

では、どうすればエスカレータは2列で運用されるようになるのでしょう?


エスカレータが2列で運用されるには


1列と2列では理屈の上では輸送効率は倍違いますし、エスカレータを駆け上がったり駆け下りたりすることによるケガのリスクが減るのは自明です。

1列であるが故に前が詰まってしまい、折り返すときに前の人に衝突してしまう問題も起きています。

ビジネスライクな考え方をするなら「あるべき姿は何か考えよう」なのですが、当然、他人を変えることはできませんから、皆が納得できるような施策を考えなければなりません。

エスカレーターを設置するビルやショッピングモールの管理者にはぜひ対策してほしいものですが、なかなか対策されないままです。文句を言う人もいないのでしょうね。

失念してしまいましたが、「エスカレータを2列で使うこと」を条例化している地域もあるようです。

日本人はルールを守ることは得意ですから、やり方としては合っていると思いますが、皆さまはどう思われますでしょうか?


さいごに


ようくんは過去に、エスカレータを駆けあがっていった人が途中で躓いて下まで転げ落ちた人を見たことがあります。痛そうにしていましたし、あまり無事なようには見えませんでした。

「悩まない人の考え方」という本を読んでいてふと気になったので書き出してみました。

個人が悩まないという意味では、1列に並ぶというのは正しい考え方なのかもしれませんが、社会問題については考え方が異なる人同士の議論が必至なので、難しいですよね。

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