僕の仕事に欠かせないお菓子【#私とヨックモック 佐久間宣行さん】
ヨックモック公式noteでは、お菓子を愛する方々による読み物企画「#私とヨックモック」をお届けしています。
今回のゲストは、テレビプロデューサーの佐久間宣行さんです。テレビ東京在籍時代、『ゴッドタン』『あちこちオードリー』などの人気バラエティ番組を手がけられた佐久間さん。独立後はNetflixなど活動の場を広げ、『トークサバイバー!』シリーズなどヒットタイトルも担当されています。
佐久間さんがテレビ業界で長年働くうえで大切にされてきたポリシーと、テレ東時代から彼の仕事を支えてきたというヨックモックとの関係性について伺いました。
番組制作を通して「その人の魅力」に向き合い、可愛らしさを伝える
「僕が仕事するうえで、モチベーションになっているのは何だろう?」と、ずっと考えていた時期があるんです。
もちろん、コンテンツ制作をするうえでベースにあるのは「面白いものを作りたい」。そして「自分が好きなものや面白いと思うものを世の中に受け入れてもらいたい」「売れて欲しい。活躍して欲しい」という気持ちが、非常に強くあります。
収録した映像を編集するときにも、出演者が面白いのはもちろん「可愛く見えるかどうか」を大切にしています。過激なことをやっても、最終的な責任を負うのはスタッフですから。視聴者への伝わり方をとくに気にしながら確認しています。
時代によって「自分たちが作った番組が、どう伝わるのか?」は随分変わりました。文字起こし、スクリーンショット、切り取り動画、ネットメディアによるニュースなどいろんな経路があります。「どういう手段で、どこを切り取られるのか?」仮説を立てて編集し、出演者を守るんです。
大切なのは、カルチャーやコンテンツの「受け手」として現役であること
僕が今よりもっと若い挑戦者だった頃は「自分にしかできないことを世の中に出していくんだ!」と自分の個性を気にしていました。でも、キャリアを重ねた今は、作り手としてよりも受け手(視聴者、ユーザー)としてのフレッシュさが何よりも大事だと考えるようになりました。
昔からの価値観を抱えていては、いつか行き詰まります。作り手として新しい才能を見つけることに加え、「自分がどれが面白くてどれに傷ついて、どう喜び、何にがっかりするのか?」に敏感でいることが大事です。
今は、ファンがそれぞれのメディアで分断されています。みんな「自分たちが好きなものが一番いいものだ」と思っています。みんな、違うものを認め合っていない空気。別のジャンルから越境すると「乗り込んできたな」と思われて、反発を生むんですよね。まず、そのカルチャーや作品を、受け手として愛しているか。そこが大事だと思います。
新しいメディアで何かするときは、まず受け手であるユーザーやファンがどう思うか? を勉強します。そこから作り手としてやっちゃいけないこと、トンマナをまず覚えるんです。そこでわからないものには自分なりに仮説を立てて、修正していくことが大切ですね。
一緒に仕事をするスタッフには、当たったにしろ、外れたにしろ、「何でこれを作ったのか」「どこがウケると思ったのか」を忘れてはいけないよ、と伝えています。外れたものをそのままにせず、失敗も仮説の検証材料にするんです。
どこがハズれていたのか? を考え続ければ、自分で修正できる人になっていく。キャッチアップも早いです。「何かウケなかったね」で終わらせないことが大事ですね。
企業も情報を既存メディア任せにせず、自身で発信をしていく時代
今はもう、自分の情報を他の人に預けている時代ではなくなりました。
僕も自分のメディアとしてYouTube『佐久間宣行のNOBROCK TV』を立ち上げました。自分を予想外の場所まで引き上げてくれたのは、ここでこれまでと違う層に届けることができたからです。
テレビ東京は地方局がなかったので、YouTubeをやったことで一気に地方にもファンが増えました。でも、それは副産物。僕自身が、もともとYouTubeをずっと見ていたからこそ出来たことだと思います。
ヨックモック公式noteもそうですが、今は企業もどんどんオウンドメディアを立ち上げていますよね。実際に、それぞれが熱心なファンを増やしています。きっと、個人もそうなんです。「どういうキャラの人が、何を伝えているか?」を、みんな知りたいし、知ることでファンになっていく仕組みがあります。
ヨックモックはおいしいし、信頼感があるから、みんな好きですよね。そこからさらに、製造や接客に関わる方を含めて、どんな理念や思考でクッキーを届けているかをnoteで発信しています。
「ヨックモックの人たちって、こんなに自社製品への愛があるんだ」がきちんと伝わることで、もっと買いたくなる。社内の若手の方を含めて、みんなが前のめりにやっているのがいいですよね。お菓子の原材料となるレモンの生産者さんなど、協業している方々へのインタビューなども、新たに知る情報があります。
マニアックなものが好きな人生だったけれど、定番には支持される理由がある
仕事を進める上で、お菓子はとても大切な存在です。これまで仕事をする上で、打ち合わせへはもちろん、たくさんの撮影・編集現場に差し入れをしてきました。
芸人さんのライブにも、お菓子を持っていくことが多いです。何を選ぶかは、渡すタイミングによって考えます。イベントや撮影の最終日が近ければ「余ったら持って帰れるように、保存が効く焼き菓子がいいな」とか、人数が多い現場なら「生菓子でもいいかな?」とか。色々工夫をしますが、結局どこの現場でも、みんなが知っている定番がよろこばれることが多いです。
とくに自分の番組のスタッフや、手がけているアイドル「ラフ×ラフ」が他の現場でお世話になるときの差し入れは、ヨックモックが多いです。いつも顔を合わせているスタッフなら好みがわかるけれど、初めての現場でも安心ですから。
定番の良さを実感したのは、40代になってからです。とくに2021年に独立してからは、さまざまな企業の方と仕事をすることが増えました。みなさん、年齢も好みもバラバラなので、結局どこに持っていくにも、定番のシガールが安心なんですよ。改めて、ヨックモックの良さがわかりましたね。
僕自身、誰かがもらってきたら「おっ、ヨックモックあるじゃん!」ってなりますし、あるとうれしい。いただく機会も多いので、うちの娘も小さい頃からよく食べていて、最も好きなお菓子のひとつがシガールなんです。仕事が忙しくて家族とゆっくり話せないときも、ヨックモックの大きな缶を持って帰ると、ちょっと家庭内での地位が上がるんですよ(笑)。食べ終わった缶も意外と便利で、娘のプリントを入れていたこともあります。
ヨックモックのような定番ブランドって、僕らの世代にとっては「いつもあるもの」「昔からあるもの」って印象があるし、信頼感で買いますよね。でも、娘のような若い世代には新鮮に響いているみたいなんです。レトロ文脈ではなく、あくまで「新しいもの」の感覚なんですよね。とくにシガールは、コロンとしたフォルムが可愛い。形状のファニーさを、もっと全面に押し出してもいいんじゃないかなと思います。
味のレベルも高いです。それだけでなく、口の中に入れた瞬間に香りがたちます。ヨックモックのお菓子はどれも個装されているし、沢山いただいたとしても、ご近所に配りやすい。いつも差し入れする側としても、食べきれなくて余ることを気にしなくていい。数日間かかるような編集現場には、大きな缶入りのシガールを持っていくこともあります。
僕はテレ東出身で、定番を追っているといつまでたっても先に行けないと思っていた時代が長かったんです。これまでマニアック中のマニアックというか、メジャーなものが好きではない人生でしたね。
でも、子育てでドメジャーなコンテンツに触れてから変わりました。スタジオジブリ作品はもちろん、アンパンマンやプリキュアシリーズのすごさもわかりましたし、「定番、メジャーっていいじゃん!」と。手土産も凝ってみた時期もあったけれど、やっぱりヨックモックには支持される理由がありますね。
<佐久間宣行>
テレビプロデューサー。1999年にテレビ東京に入社。時代に『ゴッドタン』『あちこちオードリー』など人気バラエティ番組を手がける。同時にニッポン放送のラジオ番組『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』のパーソナリティを担当するなど精力的に活動を続け、2021年3月に独立。その後もNetflix『トークサバイバー!』シリーズなど数々のヒットコンテンツのプロデュースを担当している。
<編集:小沢あや(ピース株式会社)>
#私とヨックモック その他のエッセイもお楽しみください。
(おわり)