リアリズム文学は不要なのか?現代社会における文学の役割
お疲れ様です。今回は文学でしばしば言及される、リアリズム(写実主義)について書いてみたいと思います。
ジェイン・オーティンや志賀直哉など、その表現の写実性が非常に高く評価されている偉大な作家は、歴史上で数多くいました。一言で、写実主義といっても、それを文字・文章・作品を通じて実現することは、なかなかに難しいことであるのが想像に難くないように、そのことで写実主義の作家の価値が大いに高まっていると思います。
早速、自分の考えを述べると、昨今のビジュアル文化の台頭で、文学においてリアリティを追求する意義が薄れているのではないか?と思います。つまり、テキストはあくまでテキストであるということです。映像をそのまま発信できる手段が広まっている現代において、写実的な文学作品の価値はどこまであるでしょうか?
確かに、つい最近、といっても20世紀までは、紙媒体で文字が中心になって、様々な表現がなされていました。ですが、現代になって、テキストによる表現は衰えてはいないものの、表現の形は多様になりました。言い換えれば、これまで文学が担ってきた役割の一部を、より適した形で担えるような芸術が台頭したということです。文学の写実主義は映像系の芸術によって、そのプレゼンスをやがては弱めるだろうと思います。
ここまで、文学のリアリティに着目して、その存在意義についてみてきました。どうだったでしょうか。言わんとすることは伝わったと思います。