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おっさんとドローンからみた新世界

アナログな人間だから未来を嫌っているわけではなく、ただただ、テクノロジーに洗脳されて自分の感覚が弱くなることにおびえているだけ。近未来的なものにワクワクしないし、強くなりたくもない。土にまみれて遊んで、効率とは遠くても魂と近い世界で生きていたい、ってそう思う。

ただ、未来はおっさんにも私にも70歳のおばあちゃんにもおとずれる。長く生きすぎたって、私もいつか言うのかな。一生懸命覚えたかけ算も漢字も人工知能に頼って、人間とロボットが共存する世界がやってくるのかな。うまく一緒に生きたい、おもしろいことしたい。

ヨーロッパ企画 第35回公演「来てけつかるべき新世界

「おっさん天国」と称される大阪・新世界を舞台に、シンギュラリティの先の世界を描いたSF的要素万歳の新作を東京、本多劇場で観た。

ヨーロッパ企画らしい、ユーモアもありつつ、哲学的なようなそうでないような(関西弁でよんでね)感覚にのこる舞台。斬新さと怖さをいったりきたりしながら、テクノロジーが進めば私はどうなるの?と何度もおもった。胸が痛い。

串カツ屋と新世界とおっちゃん、というこてこての関西ワールドの中にほうりこまれたドローンの情けなさ。炊飯器と漫才を組むことも、なんだがわらけて納得してしまう、ある意味ファンタジックな新世界。ファンタジーとリアルの間を間抜けなおっさんたちのやり取りが駆け抜けることで、やさしい気持ちになったりもした。おっさんはしぶとく未来に生きていきはるな。

シンギュラリティ – 人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事とされ、テクノロジーが急速に変化し、それにより甚大な影響がもたらされ、人間の生活が後戻りできないほどに変容してしまうこと。

-- ヨーロッパ企画第35回公演「来てけつかるべき新世界」

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