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『水に沈む羊』 山田航

留学生にすすめたい短歌シリーズ

8冊目は、山田航『水に沈む羊』(港の人)


産道は光ファイバーとめどなく時代の未熟児が生まれ来る

山田航『水に沈む羊』

産道は光ファイバー。妄想が広がります。


身分くらゐ弁へてるよふかふかの椅子で落ち着けない僕たちは

高級ホテルのソファとか、連想しますね。

文語体の短歌も多いですが、語彙はほとんど現代語なので、読むのはそれほど大変ではないと思います。


裾上げで余つたデニムまとめあげ海と題して作品とする

それって短歌のこと? って思ったり。


アスファルトに椿ひとひら腐るころ公民館に落語家が来る

情景が目に浮かぶ。妙にリアル。



空洞は蹴り飛ばせない空洞のかはりに蹴つた空き缶の音

空き缶を蹴ったときの音。懐かしい。



周遊する肺魚のやうにぬらぬらと試験監督きびすを返す

つい最近、試験監督をやりました。そして、何度もきびすを返しました。



考へろなぜ教室に棺桶のかたちを真似たものが多いか

掃除道具のロッカーとか? 

たしかに、教室は無機質なものが多いですね。



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