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『イマジナシオン』 toron*
留学生にすすめたい短歌シリーズ
空、空、空、空の車はつかまらずつかのま月へ挙手をしている
想い出にきれいな蓋をするようにメロンソーダの上にバニラを
はつ雪と同じ目線で落ちてゆくGoogleマップを拡大させれば
見立てがとてもいいんです。
これだけでなく、見立ての短歌で溢れています。
きみがいつ倒れ込んでもいいようにホットケーキは二段重ねる
そうそう、あれは疲れたときにダイブしたくなるようなフォルムと色だ。
そういえば、最近電車の広告で、「北海道チーズ蒸しケーキ」のぬいぐるみクッションなるものを見た。
三面鏡じっと見つめてそのなかでいちばん強いわたしを選ぶ
これも共感。
きみもまた降りるイメージで語るのか螺旋階段を死に喩えれば
おもしろい。
たしかに「死」が螺旋階段を上るイメージだったっていいし。西洋人はそうだったりするかも。
以下の2首は、個人的に共感したもの。
鯖味噌煮定食だったレシートが詩に変わりゆく古本のなか
冷ややかに星は輝く何ひとつ為し得なかった日の黒ラベル