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【映画】『PERFECT DAYS』を観た、ちょっとした感想と考察。

これから観に行く人は読まないほうがいいかもです。

映画についての蘊蓄がないので、サラっと思ったことを書いてみます。

感想

とても清々しい作品。「こんな生き方も、いいかも」と心の片隅で主人公・平山に憧れる。

この作品の面白さが分かるのは、社会で揉まれ、いぶし銀的な生き方してきた人じゃないかな。スルメのように噛めば噛むほど味が出るみたいな年代の人にドストライクだと思う。

ストーリー

平山は無口だが、なじみの人は彼を受け入れてるし、逆も然り。
街に溶け込みルーティンな毎日を何年も繰り返しているんだなあ。なぜトイレ清掃員なのか、どんな過去を背負っているか作中では語られない。
姪・ニコが現れる後半で過去をうかがえるシーンがある。

そんな平山のいつもの12日間を描いている。
だって公式HPには、描かれない353日とあるから。

最後は軽バンを運転するシーンで終わる。大どんでん返しなんてない。何を思っているのか、思い返しているのか。

このラストは役者・役所広司の真骨頂だろう。しかしロケではなくセット撮影だったのは何故だ。すごく疑問だ。

なおラストシーンの演技についてはホームレス役を演じた舞踊家・田中泯さんのインタビュー動画がオススメ。

考察    ー 光・視点・世界 ー

ルーティンな毎日の中にはちょっとした ”出来事” が差し込まれていて、ニヤリしながら観ていた。後になって、実はこれの意味が大きいことに思い至った。大袈裟かもしれないけど。

そうそう上映始まって10分位して映像が4:3なのに気づいて(遅いよ)、ヴェンダース監督の作風か知らないが、「映像しっかり見て、 "何か" を感じ取ってよ」という撮り方だったのかなと思う。

自分としては3つ。

平山は1日3回、空を見上げる(はずだ)。
朝昼夕と3回。
昼は持ち歩くフィルムカメラで木々の隙間から降り注ぐ光を、毎日同じ場所から1カットだけ撮っている。光を意識して撮っている。ノーファインダーで。写真の心得があることが伺える。

現像した写真も残す残さないの明確の基準を持っている。その基準とは…。

視点

不思議なキャラクターが2人登場する。昼休憩中に隣りのベンチにいる疲れたふうなOL、もう一人はホームレスの老人。
この二人、平山以外に見えていたのだろうか。
老人が踊るシーンなんて、他の人には見えていないような描写にもとれた。二人とも謎。

平山が "存在するのに見えていない(いなかった)もの" に気づいたことの象徴のように思えて仕方がない。

世界

ニコは母親から平山とは「住む世界が違う」と言われている。ニコは平山に問うが「違うものは違う」としか言わない。
説明もできるはず。なのにしない。

平山の世界観は他の人々とは違う。明らかに別の価値観で生きている。

思い浮かんだのは黒子。バスケ漫画にもあったな。
存在しているが覚られない存在。


まとめ

平山は過去に価値観の転換、世界の見方が変わる瞬間があったはずだ。何かを悟ったのだと思う。
お釈迦様みたいになったわけではない。自分にとって大切な何かに気づいたのだろう。

黒子。だから清掃員。支えられる人間から支える人間への転換。それまでの生き方のなかに光を見出す何かがあった。希望の光とか言うよね。それ。

支える側の人間なんて、見よう知ろうとしない限り見過されていく。これを上手に映像化したのが昔あったNHKの「プロジェクトX」という番組だと思う。

だから運転手付の車でニコを迎えに来る妹とは、”住む世界=境地” が違うのだ。
趣味写真に例えれば「ヘタでもいい写真」を撮れればいいのと一緒かもしれない。


そういえばエンドロールの最後に映画を理解するヒント、いや答えかも。が現れる。

あ〜なるほどと合点がいった。しかし観客の半数はエンドロールを最後まで見ずに帰っていった。勿体無い。エンドロールは最後まで見よう。


以上、最後まで読んで頂きありがとうございます。
纏まり悪いですが、今後、加筆・修正するかもです。


ー おまけ -
ズームレンズを23mm(換算35mm)固定で試し撮り。
23mmも扱いやすそう。
33mmと2本体制にしようか金策に悩む。

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