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読書記録『祈願成就』霜月透子


ショートショートnoteでの創作仲間でもある、霜月透子さん著『祈願成就』を購入し、一通り読み終わってすぐ再読せざるを得ない作品でした。

https://note.jp/n/n94fa3487102f

一周目読んだ時は、バブル、それから氷河期と称される時代から取り残された地方都市を舞台に、その当時の子どもなら夢中になったであろう秘密基地仲間の当時を軸に、「始まりの死」を火蓋に、次々と起こるそれに恐れを抱きました。

そして二周目は、プロローグで語られる願望が、尽く異様な形で叶えられていく様に戦慄さえ覚え、遊びの延長線上のおまじないは呪いにもなる。そしてそれは読者、つまりあなたも…… と、囁かれるような感覚を覚えました。

……あ、そ、ぼ、う、よ。
純粋で、それでいて残酷な子どものような「それ」。
ーーほう、おもしろい。
「それ」の力に対抗しようとして敗れた彼女。
得体のしれない何かに襲われる、かつての秘密基地仲間。
そして「それ」の力に頼らざるを得なくなった彼女。

なんとも後味の悪いお話(褒め言葉)でした。


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