プロダクトマネージャーは、プロダクトを作る仕事じゃない!
株式会社ラブグラフで執行役員CTOをしています横江です。
今日は技術の話でなく、その前段となるプロダクトのお話をいたします。
プロダクトマネージャーってどんなお仕事?
プロダクトマネージャー(PdM)というお仕事はとても人気です。
学生インターンでプロダクトマネージャーをやりたいという方は多いですし、
エンジニアをしている方でも「将来的にプロダクトマネージャーもやってみたい」という方も多くいらっしゃいます。
ただ、それは大きな誤解の上に成り立っていることが非常に多いです。
どうしてプロダクトマネージャーになりたいのかの話を聞いていくと、
「自分が提案したものを作れるのが楽しい!」
「顧客に直接価値を届けられ感謝される!」
などの言葉が出てきます。
すべてが間違っているわけではないのですが、
これは、YouTuber のキラキラした面だけを見て YouTuber に憧れている状態に近いと感じます。
作ることがPdMのお仕事ではない
プロダクトマネージャーの仕事なんだから
プロダクトを作るのが仕事なんでしょ? と思われるかもしれません。
実はそうではありません!
作るのが仕事だと思っていると、ビルドトラップにハマります。
プロダクトマネージャーの仕事のひとつは、作らないことを決めることにあります。
これは意外と難しいことです。
顧客やCS、営業、マーケ、社長の思いつきなど、関係者は自身が必要と思う機能を載せてくれるよう要望を出します。
しかし全てを取り入れると、プロダクトとしての一貫性や思想がなくなり、
機能がゴテゴテの使いにくいプロダクトになってしまいます。
開発リソースだって足りません。
「作らない」や「今やらない」を発案者に伝えるのは心苦しいことですが、
どうしてなのか、相手にわかりやすく説明しなくてはいけません。
そのためには、事前に自社プロダクトや競合の調査をおこなった上で、
1〜3年くらいのプロダクトロードマップを引き、
それが収益を上げうると周囲からの賛同を得て、タスクの本流としておく必要があります。
そこに至るには、「キラキラした創造性」以上に、
「地道にあきらめない調査力や説得力」が必要になってきます。
なかなかに泥臭い仕事なのです。
顧客に感謝されることがPdMのお仕事ではない
本当にユーザーファーストであれば、
Netflix のような最高に便利なサービスをタダで提供すればいいでしょう。
しかし、そうはいきません。
プロダクトマネージャーにとっての理想は、「よいプロダクトを作って、それを長く使ってもらうこと」です。
会社が倒産してしまっては元も子もありませんね。
プロダクトマネージャーの役目は、プロダクトの上げる収益を最大化することなのです。
そのためには、ユーザーからの反感を買うことをしないといけない場合もあります。値上げなどが一例ですね。
プロダクトマネージャーは、プロダクトの作り出す利益を最大化するお仕事
振り返りましょう。
プロダクトマネージャーは、プロダクトを作る仕事ではありません。
プロダクトの利益を最大化するお仕事です。
そのために、効果ある施策を考えて周囲の賛同を得てバックログとして積んだり、それの結果をモニタリングして、成功要因や失敗要因を分析したりする必要があります。
それにあたっては社内の調整やユーザーヒアリングなどが必要になるでしょう。(実際にそれをおこなうのはチームメンバーかもしれませんが)
「あれ? それって事業責任者では?」と思われた方もいるかもしれません。
そうです、事業責任者なのです。
プロダクトマネージャーというカタカナ言葉がわかりにくくしていますが、
プロダクトマネージャーに求められているのは、プロダクトを通して事業を伸ばすこと。ほぼ事業責任者と言えるのです。
(厳密には、事業部全体の人事などコーポレート部門には責任を負わないことが多いので、その点で異なりますが)
だから、プロダクトマネージャーになりたいと思う方は考えてみてください。
「自分はKPIやKGIを設定して事業を伸ばしていくためのスキルがあるか?」
「他社分析を繰り返して自社のプロダクトの立ち位置を知って、ポジション取りからの戦略を考えられるか?」
「自社内や顧客に対して、納得されるまでわかりやすい説明をし続けることができるか?」
「他人から反対されたときに多くの情報を集め、その上で、自分の誤りを認めることができるか、もしくは納得してもらうまで説明を続けることができるのか?」
まだ出来ていないところがあれば、それがあなたがこれからプロダクトマネージャーになっていくために必要な要素、伸びしろです。
また、プロダクトマネージャーを雇おうと思っている企業さんは、
その人が、事業責任者として任せられる程度の人なのかを判断してください。
社長が安心して、「君ならなにをやってもいい」と任せられるのかの軸で判断してください。
プロダクトマネージャーの仕事にさらに興味が湧いた方は・・・
こちらの note の記事がわかりやすかったのでオススメです。
たった1記事で、本1冊分くらいの芯の情報がギュッと詰まっています。
また、世の中には数々のプロダクトマネジメントの本が出ていますのでオススメです!
何事もそうですが、自分流でやりすぎず、体系だった知識を得て、先に基礎を固めておきましょう!!
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