七五三を初めて迎える30代の子育て家庭の暮らしって? ユーザーペルソナを作ろう!
こんにちは、株式会社ラブグラフで執行役員CTOをしております横江です。
先日、プロダクトチームみんなでカスタマージャーニーを考えようという企画が、PMインターン主体となって開催されました。
「カスタマージャーニー」とは何かについては、以下の記事が詳しいですね。
さて、カスタマージャーニーを考えるにあたっては、上の記事中にもありますが
「ユーザーペルソナを考えること」が前段として必要になります。
ユーザーペルソナといえば、atama plus 株式会社はおもしろくて、
人物像をフィギュアにして会社に置いてあったりします。
ラブグラフの場合は、七五三などの家族写真が特に人気ですから、
子育て家庭をユーザーペルソナに置いてみたいところです。
また、 Instagram による写真文化に慣れのある、30歳前後の家庭を想定したく思います。
では、一般的な30代の子育て家庭はどのような暮らしをしているのでしょうか?
データから紐解いてみましょう。
なお、平均値と中央値の概念がありますが、平均値は高所得者によって高くつきがちで、
個人的には中央値のほうが、年収などにおいて信用できる値と思っていますので、ここでもできるだけ中央値を取り上げていきます。
調査1: 世帯年収
『子育てにはお金がかかる?!世帯年収の中央値と教育費を貯めるポイントを解説 – Hamic STORE』によれば、
子育て世帯の世帯年収の中央値は722万円です。
これはおじいちゃんおばあちゃんなどの世帯も含むので、このうち労働所得は90%の部分、残りの10%は年金や児童手当などであろうと書かれていますね。
収入は年齢に従って上がっていくのが一般的で、
『日本全体の平均世帯年収は545.7万円!年代別・世帯別の中央値を大公開します | ナビナビ保険』によれば、30代の平均世帯年収は627.2万円です。
だいたい中央値は平均値のマイナス100万くらいと思われますので、
30代の世帯年収の中央値は約530万円と概算できましょうか。
『正社員の年収中央値は?年齢別・都道府県別にも解説(平均年収ランキング【最新版】) |転職ならdoda(デューダ)』によれば、
30代の年収中央値は400万円(男性:450万円、女性:350万円)です。
それに加えて児童手当や、パートナーが働くことなどで、世帯年収の530万円に達しているであろうと推定できます。
調査2: 夫婦の年齢
30代としていましたがもう少し詰めてみましょう。
『結婚の平均年齢と最頻値は?平均年齢だけでは語れない数値から見える意外なギャップとは? | データで越境者に寄り添うメディア データのじかん』によると、
初婚の年齢に関して
女性は平均値が29.4、中央値が27〜28。
男性は平均値が31.0、中央値が28〜29 となっています。
『令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省』によれば、
第1子出生時の母の平均年齢は30.9歳となっていますので、
初婚の年齢のデータと合わせて考えると、
第1子出生時の年齢の中央値はおおよそ、女性が29歳、男性が30歳と推定できます。
七五三を最初に迎えるのはそこから3年後ですから、
女性は32歳、男性は33歳というのが、もっとも多いボリュームゾーンだと言えるでしょう。
あくまでもっとも多いボリュームゾーンなので、ユーザーペルソナとしてはここから上下させてもいいと思います。
とはいえ、『【2023年10月更新】Instagramのユーザー実態まとめ!利用者数・属性・企業のインスタ活用事例までご紹介 |インターネット広告会社・Web広告代理店|株式会社ユニークワン』によれば
30代女性がもっとも Instagram の使用割合が高い層なので、ラブグラフ的には大きくずらす必要もないでしょう。
調査3: どういうお金の使い方をしているか
先ほど求めたもっとも分布の多い女性32歳、男性33歳の夫婦として、
稼ぎの中心は男性側にあると今回は仮定しましょう。
『正社員の年収中央値は?年齢別・都道府県別にも解説(平均年収ランキング【最新版】) |転職ならdoda(デューダ)』によれば
男性33歳の年収中央値は450万円です。
女性がパートをしていて、年収は103万の壁を超えないよう80万円程度に調整していると仮定しましょう。
労働所得の合計は530万円。
そこに児童手当が10万円程度加わり、世帯年収は540万円くらいでしょうか……?
手取りは約432万円、月に使える額は約36万円となります。
世帯年収が500万円で子供がいる場合の生活費シミュレーションが、
にそれぞれ載っています。子供1人の場合を見てみましょうか。
家賃10万円ですから、
例えば埼玉県の新所沢駅から徒歩12分の場所にある2LDKのマンションに住んでいるのかな? など想像がついていきますね。
3人家族で趣味・娯楽費が月1万円はやや無理があると思うので、そこを2万円にするのと、
最近電気代が高いので、水道・光熱費は最低でも2万円になりそう。
そして月の貯蓄を3万円にし、月の予算36万円を消化というところかなーと思います。
できあがるユーザーペルソナ
こうして出てきたデータをもとに、いくらかは決め打ちでユーザーペルソナを整えていきます。
(息子さんか娘さんにするか迷いますが、男女の出生割合は 105:100 と言われているので、やや確率の高い息子さんにしました)
申し込み者:3歳の息子さんのいるお母さん。息子を8時すぎに保育園に送ったあとは、週3で近所のスーパーでパートをしている(9〜14時)。空いた時間を縫って家事をしているのでかなり忙しい。初めての七五三をどうしようか考えて、パートの休憩時間などで少しずつ調べている。Instagramを見ていたところ出張撮影の広告が流れてきて興味を持つ
家族構成:母(32歳)、父(33歳)、息子(3歳)
住居:埼玉県所沢市
世帯年収:540万円
毎月の趣味・娯楽費:2万円
毎月の貯金額:3万円
カスタマージャーニーを作成するにあたっては、
個々人がこの架空のママ・パパを自分に憑依させて考える必要があるので、
想像がつきやすくなるよう、どんな1日を送っているのか、七五三全体の予算はいくらかなど、もう少し詰めてみるといいと思います。
まとめ
「ふつうの生活」を定義するのは、メンバー間の話し合いだけではなかなか難しいものです。
その人にとっての「ふつう」は、どういう人に囲まれて暮らしているかに大きく影響されますから。
実際、「子育てするなら年収800万円は最低でも必要じゃない?」などの声もミーティングでは出ていました。
今回のようにデータを用いることで、
ユーザーペルソナ設定時の正確性をより高められ、
自社のターゲティング層の生活をイメージしやすくなることが期待できます。
おまけ: toBサービスはどうしてる?
toC (個人向け)サービスでは、国のデータをもとにユーザーの行動を推測していきましたが、
toB (企業向け)サービスではどうでしょうか?
いつもお世話になっている、『開発PM勉強会』主催の
まいどるさんに聞いてみました!
不特定多数に向ける toC サービスと異なり、
toB サービスは契約企業が明らかになっていて、
いつ使うかも、業務フローに組み込まれていることが多いことからわかりやすい場合が多いです。
ですので、ユーザーペルソナの作り方に関しては、
実際に対象の業界の人に話を伺っていく、というのがもっとも近道なんですね!
まいどるさん、ありがとうございましたー!!👏
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