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デザインプロセス見せます!ープロダクトデザインからECサイトまでやってみた

こんにちは!元シチズン時計で、現在フリーでプロダクトデザイナーをしている横山友美(TOMOMI YOKOYAMA DESIGN)と申します。2022年の年始からフリーに転身し、ようやく初めてのプロダクトがリリースになります。この機会に、プロセスをまとめてお見せしたいと思います。今回、株式会社上畑木工さんにご依頼、ご協力いただきました。ありがとうございました。(掲載許可取ってます)

①依頼

クライアントの上畑木工さんは、以前丹波ウッドデザインコンペで知り合った、丹波の木工メーカーさんです。地域密着型で、親切・丁寧なモノづくりをされています。今回は木の音の響きに注目し、木製スマートフォンスタンドのデザインをご依頼いただきました。また、それに伴いECサイトでも作成したいとのことでしたので、ECサイトも作成させていただきました。

②デザイン事前準備

まずデザインの前準備として、どんな既存品があるかと、第三者の意匠を侵害しないためにも意匠調査をしました。余談ですが、意匠調査は特許情報プラットフォームで簡単にできます。また、木の種類によっても響きが違うため、オーディオ雑誌や音楽雑誌など読んで、木の特性をまとめました。最終的に入手のしやすさなども考慮し、樹種は丹波産のヒノキに決定。

なるべく幅広く市販の商品の調査をします
意匠公開のタイミングもあるので、すべてを調査することは不可能ですが、
可能な限り意匠調査もします


木の種類によって違う特性を調査

③分析

調査内容を踏まえ、分析と何を盛り込むかを箇条書きし、クライアントと打ち合わせで方向性を決めます。

簡単なシートをベースに打ち合わせで内容と詰める

④ラフデザイン提案

方向性が決まったら内容の肉付けをしながら、実際の大きさや重心を検証するために、スチレンボードなどで簡単な模型を作って、スマートフォンを実際に立ててみたりします。(写真なくてすみません。。)模型でイメージをつかみつつ、形のアイディアを出し、最終的に3DCGで形の検証・提案資料の作成。

丹波にゆかりのあるカタクリの花のマークをあしらったデザイン
茶器の箱の落款のような焼き印が裏に入ったデザイン
裏に入ることで主張しすぎない高級感を演出
半月のおぼんのような丸みのあるデザイン
板材を使用し古いラジオの様な印象のデザイン
工作キットのように自分で組み立てできるデザイン

⑤デザイン決定

上畑木工さんとの打ち合わせで、Design2で行くことに決定。焼き印はなしで、ベーシックでシンプルな内容になりました。細かい部分のデザイン修正をしてから図面を作成し、ファーストサンプルを上畑木工さんで作成していただきます。

具体的な寸法はグレーアウトしてます

⑤ファーストサンプルアップ・検証

ファーストサンプルが仕上がってきたら、実際にスタンドに立てて音を出したり、充電コードが通しやすいかなど検証をしていきます。修正点を考慮しセカンドサンプルの作成用に、修正3DCGや図面を用意します。

箇条書きの修正点のまとめ
修正図面
修正3DCG

同時に動画や写真を撮影し実際のECサイトのイメージを固めていきました。

検証写真・ECサイト用のラフ撮影

カラーサンプルも送っていただいたので、カラーの検討も始めます。現状のモデルでインパクトが足りないと感じていたので、インパクトの出るようなカラーを一色入れることに。派手なカラーは目立つけれど、魅力を感じなかったので却下しました。既存品はナチュラルなカラーが多い中、高級感のあるブラックが既存品などに見当たらないように感じ、ピアノブラックを提案。インパクトを出すためにECサイト限定色として打ち出すことにしました。

実際の塗料を塗って見え方の検証
カラーの検討
ピアノブラック提案資料

⑥セカンドサンプル~最終サンプル

セカンドサンプルアップ後、微修正を加え、形はフィニッシュ!

細かな寸法修正

色は、ナチュラル、レッドブラン、ブラウン、ブラックに決定。ブラックは、ツヤのあるブラックが希望でしたが、なかなかいい色や質感が出ず、、!ツヤがあると、指紋が目立つ、安っぽく見える等問題を考慮し、ツヤ消しに変更しました。ツヤをほとんど消したサンプルを作成していただきましたが、今度は乾燥してパサついて見える問題が、、程よくツヤや、塗料の厚みを出すために何度も試作していただき、ようやくブラックが決定!(残念ながらブラックだけは天然塗料ではなく、水性塗料になりました)

上が改良後のブラック、下が改良前のパサついたブラック
(形は下が最終形)
作成していただいたブラックのサンプルの一部

⑦撮影

最終サンプルを撮影。天然塗料(ブラック以外)の使用をアピールするため、自然の中での撮影を希望されていました。最寄りの公園で許可をとり撮影開始。(公園によっては撮影許可が必要です。特に商用利用するものは気を付けましょう。)梅雨時期だったので、なかなか天気に恵まれず、薄曇りの天気でなんとか撮影しました。ラフの撮影した時は初夏だったので、新緑だったのですが、この時期は緑が茂りすぎていて撮影場所やアングルの決定に時間がかかりました。

地面に置いた感じの写真
トップ用に横長の写真も撮影

説明的な写真は自宅スタジオにて自然光で撮影。顧客は実物を見られないので、寸法や後ろのコードの部分を見せた写真など、さまざまな角度の写真を用意しました。

スマートフォンのサイズ違いに合わせて同じアングルで2パターン用意
葉っぱは家に生えていたもので対応
カラーバリエーションのセッション写真
寸法・バックサイド

⑧動画の撮影

スマートフォンスタンドを使用すると、音が大きく聞こえることが、伝わるように、動画の作成も提案し、動画を作成・編集。(ちなみに、スマートフォンで流しているピアノも私が弾いてます)

クリックで動画に移行できます

⑨ECサイト作成

ECサイトはstoresのサービスを使い作成。(支払いなどの設定などなく、ECサイト初心者でも利用しやすいので、小規模のECサイト作成にはおすすめです。)ECサイトの仕上がりをイメージしながら写真の撮影、動画の撮影をしているので、スムーズにデータを流しこむことができました。顧客が一番知りたがるであろう、自分のスマホがきちんと立てられるかという部分には、寸法を入れて対応しています。最後に上畑木工さんにECサイトのダッシュボードの使い方を説明し納品となりました。(出荷用の化粧箱などは上畑木工さんで手配していただいています)

⑩終わりに

ECサイトで売る商品の場合、写真が命です。どんなに良いデザインでも、写真で目に留まらなければ、売り上げにはつながりません。今回プロダクトをデザインするところで終わらず、写真・動画撮影、ECサイト作成までかかわらせていただきました。顧客目線で、どんなことを知りたがるかを考え、内容に盛り込めたのでよかったと思っています。ECサイトでお伝えできることは限られているので、ぜひ開発の裏側も見ていただきたいと思い、今回記事にさせていただきました。少しでも興味を持っていただければと思っております。

このブログでは、プロダクトデザイン、フリーランスに関する情報を発信しております。コメント・フォロー・スキをいただけると今後の励みになります。最後までお読みいただきありがとうござます。

株式会社上畑木工 ECサイト:https://uehatamokkou.stores.jp

お仕事のご相談・ご依頼はこちら:contact – TOMOMI YOKOYAMA DESIGN
TOMOMI YOKOYAMA DESIGN:TOMOMI YOKOYAMA DESIGN – Product design & Graphic design



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