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14筋肉:いろいろ分類できる

 ヒトはもちろん、動物が動くことができるのは筋肉の存在による。この筋肉はいくつかに分類できる。一つが骨格筋、平滑筋、心筋という訳方である。骨格筋は多核で、平滑筋は単核である。また、意識して動かすことができる随意筋(骨格筋のみ)と不随意筋(心筋・平滑筋)に分けることもできる。

 この他にも、見た目の色から赤筋(赤色筋)と白筋(白色筋)の2種にも分類される。これは含有するミオグロビンやミトコンドリアの量に左右される。ミトコンドリアが多く活発なものが赤く、反対に少なく不活発なものが白く見える。赤筋は脂肪や炭水化物を消費する酵素が多く、ゆっくりした運動を持続的に行うのに適している。心臓や呼吸に関する器官の筋肉を構成する。

 骨格筋は関節など骨格の可動部を動かす筋肉である。脊椎動物では両端が腱を介して骨に繋がった形で配置されている。関節に関してその筋肉が収縮すると曲がるものを屈筋、伸ばすものを伸筋と言う。その他に回転筋や索引筋、括約筋などに分類される。随意筋であるが、体躯の姿勢制御や反射などでは無意識に動く。体重比で成人男性の42%、同女性の36%を占める。哺乳動物の骨格筋の密度は1.06kg/Lであり、脂肪よりも約15%重い。昆虫やエビなどの節足動物にも存在し、角皮を動かすために使われる。

 平滑筋は横紋が無い筋肉であり、脊椎動物では心臓を除く内臓および血管を構成する。無脊椎動物の身体を構成する筋肉は大部分が該当する。収縮する速度は遅く数十秒かかる場合もあるが、一方で伸び縮みする率は大きい。自律神経系から運動の促進や抑制双方の制御を受けている。

 心臓を構成する筋肉が心筋である。その特徴として、動作に必要な神経繊維が通常の神経繊維ではなく、特殊心筋と呼ばれる筋群によって伝達される。従って、肉眼的には神経繊維は存在しない。

筋肉収縮

 筋原繊維の最小構成単位がサルコメア(筋節)である。これが縦につながったものが筋原繊維である。個々のサルコメアは、ATP存在下で収縮する。骨格筋の縞はこのサルコメアのアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが並行に一部分重なることに由来する。筋小胞体から放出されたカルシウムイオンにより、アクチンフィラメントがミオシンフィラメントな間に滑り込み筋肉が収縮する。その時、サルコメア全体の長さはアクチンフィラメントが滑り込んだ分だけ短くなる。

 ヒトの筋肉は性的二形である。この性差は上半身で最も明確であり、平均して、総筋肉量で男性は女性よりも60%多く、中でも腕の筋肉量は8 0%多い。したがって、平均的な男性は99.9%の女性よりも強い。これらの筋肉の著しい性差は、攻撃性における強い性差の証拠といえ、ヒトの進化において、強い選択圧を反映している。

腹筋

 2019年に発表された研究によると、女性が魅力を感じる男性の筋肉部位が存在する。上位から、腹斜筋、大殿筋、腹筋、上腕二頭筋、肩甲筋、三頭筋、脹脛、三角筋、大腿四頭筋、胸筋となっており、鍛えるのが難しい部位である。優れた遺伝子を無意識に選択しているのだろう。

 最後に筋肉痛に触れておこう。おもに運動中や運動後に起こる筋肉の痛みで、普段あまり使わない筋肉を無理して使った場合などに起こる。「即発性筋痛」と「遅発性筋痛」の2種類に分けられます。前者は激しい運動などによって筋肉が過度に緊張した状態となり、血行が悪くなることで起こるとされている。運動の最中、または運動直後に起こる。

 一方で遅発性筋痛は運動を終えた数時間後から数日後に出てくる。一般的に筋肉痛というと、遅発性筋痛のほうを指すことが多い。運動する際に分泌される乳酸が原因という説もあったが、否定されている。現在では筋肉修復の際に分泌される刺激物質が痛みを起こすというのが、有力な説である。
筋肉に関する慣用句と熟語は見当たらなかった。
*食品なんでも相談所 横山技術士事務所
*3頁目 発酵食品もの知り講座
*4頁目 大豆総合研究所
*中国ひとり歩記録 目次 中国ひとり歩記
*吉祥寺サバイバル 目次 吉祥寺サバイバル
*働くヒト器官 目次 働くヒト器官

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