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27 神経系(しんけいけい):障ったり、尖らせたり

 神経系は主に神経細胞(ニューロン)の連鎖によって作られる神経を通して、外部の情報の伝達と処理を行う動物の器官である。内容的には、動物体における神経全体の配置のあり方を指す場合がある。さらに、同一個体内における神経の系統を指す場合もある。前者は動物の分類において、上位分類群を特徴付ける重要な特徴と見なされる。

 また、神経系が情報を受け渡しする対象である「外部」にも2つの意味がある。ひとつは生体の外部を指す場合であり、二つ目は生体の内部ながら神経系の外部を指す場合の両方である。

ヒトの神経系

 ヒトの神経系は突起部を含む神経細胞の単位を示すニューロンはシナプスで連続するが、神経伝達物質が分泌される事で興奮が伝達する機能から成り立つ。これはニューロン連鎖と呼ばれ、感覚や運動または自浄作用から、記憶や思考また判断や感情などの精神活動の大元でもあると考えられている。ニューロン連鎖は伝導路という決まった経路の束をつくる。この経路には求心性(感覚性・上行性)と遠心性(運動性・下行性)という方向性が存在する。ひとつのニューロン連鎖はそのどちらか一方に属する。

 一般にヒトの神経系は大別して中枢神経系と末梢神経系の2つに分けられている。中枢神経系と末梢神経系である。前者の中枢神経系は脳と脊髄部分を指し、ヒトでは特に大脳が大きく発達している。組織は神経組織と呼ばれ、実際に情報の伝達を行うニューロンと、その間を埋めながら数倍が存在するグリア細胞(神経膠細胞)やオリゴデンドログリア、アストログリアなどから構成される。

 末梢神経系は主に神経線維束や局所的に神経細胞体が集まって存在する神経節などから構成されている。神経線維束は神経細胞体からのびる神経線維(軸索)が多数集まって束になっている。中枢神経系と体の各部位を結ぶ働きをする。末梢神経が中枢神経とつながる場所は全て決まっている。また、束になった神経は体内での走行パターンが決まっており、全て名前がついている。

 解剖学的な分類では末梢神経がどの中枢神経に接続しているかによって分けられる。末梢神経系は脳神経(脳から出るもの)である。嗅神経と視神経は脳神経ではあるが、組織学的に見れば中枢神経である。

 末梢神経はどのような信号を伝えるかによって体性神経系と自律神経系に分けられる。体性神経系は役割別に感覚神経と運動神経に分けられる。自律神経系は作用別に交感神経と副交感神経に分類される。さらに、自律神経系は2つの神経に分けられる。この神経として交感神経と副交感神経が存在する。 前述の通り、自律神経は自分の意思で動かすことのできない神経で、「意思と関係なく働く神経」としては臓器の働きを調節する神経が分かりやすい。心臓をはじめ、肝臓、腎臓などの働きを自分の意思で調節することは不可能である。

交感神経と副交感神経

 実はこの自分の意思とは無関係に働く神経が2種類存在する。この2種類が交感神経と副交感神経になる。交感神経はすべて脊髄から出て内蔵諸器官に分布している。交感神経が作用すると、身体が興奮状態、戦う状饉に整えられる。例えば、心脇の拍発が速くなり、瞳孔が砿大し、戦闘モードになる。交感神径のニューロン間の神径伝達物質はノルアドレナリンであることも覚えておこう。副交感神経は中脳や延髄、脊髄の仙椎部から全身に分布している。副交感神経が作用すると、身体がリラックス状態に整えられる。例えば、振動の拍動は抑制され、瞳孔は隔小する。身体が落ち看いた沃態になるのである。副交感神径をつないでいるニューロン間の神径伝達初質は、アセチルコリンであることも覚えておこう。また、副交感神径は顔面神経や動眼神経、迷走神経、仙椎神経という名称もついている。

 2件と少ないが、神経に関するに関する慣用句を挙げておく。
神経に障る   神経を尖らせる

*食品なんでも相談所 横山技術士事務所
*3頁目 発酵食品もの知り講座
*4頁目 大豆総合研究所
*技術士受験指南(農業)目次 技術士受験指南(農業)
*中国ひとり歩記 目次 中国ひとり歩記
*吉祥寺サバイバル 目次 吉祥寺サバイバル
*働くヒト器官 目次 働くヒト器官

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