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【考え事】ルールを守る人と決める人

■ 守る人

 今の若い人は皆優秀だ。研修課題はサクッとこなし、資料の作成もサクッと行う。脳のメモリが多いのと時間の使い方がうまい印象だ。生産性が高いと言えるだろう。早く終わってしまうと振る方が困ってしまう。

 一方で熱のこもった資料のようなものはあまり見かけない。視野が狭くなって突き進む不器用な人や、徹夜して納得のいくラインまで仕上げようとする人は(見えていないだけかもしれないが)少ない。そういう時代じゃなくなったのだろう。

 しかし優秀な人と言うのは熱がこもっていなくても優秀だ。習慣が違うのかセンスが違うのか人生経験の周回数が違うのか、大体の問題はサクッとスマートに終わらせる。与えられた課題を爆速で終わらせる人は最近増えていると感じる。

■ ルールは複雑

 問題やルールは、さらっと読んだだけだとその意図がつかめない。受験でよく出題者の意図を汲み取れと言われたが、どうしてそのような問題に設定したのかという点を考えるのは難しい。とくに法律などは様々な法律が複雑に絡み合って、一文を変えるのに相当な下調べと調整が必要になるのだろう。法律とまではいかなくても、職員就業規則・給与規則・36協定・運用手順・システム設計・研修課題など、一度設定された問題を設定しなおすのには相当な労力がかかる。

■ 決める人

 そこで、上記のように問題解決能力が高い人たちの、問題設定能力がどうかが気になる。現在動いている制度の仕組みを変える仕事を与えた場合、それもサクッとこなしてしまうのだろうか。おじさん達が各所に調整を入れながら数年かけて2ミリずつ変えているような内容を、サクッとぶった切って1週間やそこらでダイナミックに変えてしまうのだろうか。

 問題を解く作業と決める仕事、頭の使い方がかなり違う2つの内容だが、もし決める方までサクッとできてしまうのであれば、一刻も早く権限を委譲した方が良いだろう。頼んだ時には「職務内容に書いていません」とバッサリいかれるのだろうか。そうだとしても、権限と給与を渡した時に、複雑に絡み合った規則や仕組みをサクッと整理してくれるのであれば、そこには希望しかない。

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