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クラレ#8:初診。始めての精神科病院へ

中1から不登校気味で、勉強も全くしていなかったクラレになんとか勉強に興味を持ってもらおうと『イケメンの先生がいる個別指導塾』を探し、奇跡的に近所で見つかった塾に入塾したものの、3ヶ月ともたずに退会。

状況は何も変わることなく、クラレは中学2年生に進級した。

進級して担任が変わることで何かしらの変化を期待していたが、2年生時の担任も「1年の時より悪い。最悪。」と一蹴され、益々学校から足が遠のいていこうとしていた。

そんな時、クラレがふいにつぶやいた「病院に行きたい。普通になりたい。」という言葉で、状況に変化が起ころうとしていた。

▼病院探し。予約がとれない…!

クラレから「病院に行きたい。」と言われた時点では、私の頭にはクラレを医療機関に繋ぐという発想が無く、『不登校の子のための医療機関』についての情報や知識も全く無い状態だった。

なので何をどうしていいか分からず、とりあえずググって情報集めから始めることにした。

イケメン個別塾を探した時と同じく、住んでいる地域が田舎だから、そんな専門の医療機関は近くには無い。
唯一同市内にある病院が1件と隣の市で一番近くにあるクリニックを1件ピックアップした。

どちらも「児童精神科」「児童心療内科」「児童思春期外来」があり、カウンセリングなども行っている医療機関だ。

病院の口コミ情報では、イマイチいいのか悪いのか分からなかったので、とりあえず電話してみることにした。

そして私は知ることになる。
この種類の医療機関の予約を取ることが極めて大変だということを!

どちらの病院でも、最初の電話で話は聞いてもらえたのだか、初診の予約はどちらも2ヶ月~3ヶ月以上先になるとのこと。

「マジか…!?」と心で思ったが、予約しないことには何も始まらないし「今この瞬間が一番早く予約をとれるってことでは?」と理解し、とりあえず両方の病院で予約はとってもらうことにした。

この電話をしたのが5月のGW明けだったが、予約がとれたのは最初にかけた病院が8月上旬で、もう一つのクリニックは9月初旬だった。

「どこもこんなに初診まで時間がかかるのだろうか…?」

疑問に思ったので、自宅からはかなり遠いけど都会にあって口コミの評判が良さそうなクリニックにも電話をかけてみた。

受付けはしてもらえたものの、予約がとれたのは3つの中で一番遅い9月下旬だった…。

後になって分かるのだが、1回目の電話で受け付けしてもらえて、予約まで取れるというのは(3ヶ月後だったとしても)、まだラッキーな方だったかもしれない。

この翌年、クラレは別の地域の病院に通うことになるのだか、その地域の病院の多くは、初診予約の受付は電話予約かWeb予約で、1ヶ月毎に予約受付開始日時が決まっている為、予約受付開始時間の前からスタンバって予約枠の争奪戦に勝ち抜かなくてはなない。
しかも予約枠はものの数分で埋まってしまう為、出遅れればいつまでも予約がとれない状態になってしまうのだから。

こうしてひとまず、3つの医療機関に予約はとれた。

ただ、最初の診察予約までは3ヶ月も先だ。
クラレにそのことを伝えると、少し残念そうにしていたが、理由を説明した後は納得できた様子だった。

クラレは相変わらず、学校にはカウンセリングと部活、行事などの自分が興味を持てそうな時にだけ登校して、それ以外は午後から登校したり、欠席することが増えていっていた。

でも学校を欠席すると、家のスマホルールで次に学校に登校するまでスマホが使えなくなる為、6時間目が終わる10分前に登校して部活だけ参加するということもよくあった。

そんな感じで、どうにか1学期が終わり夏休みに突入。
ようやく最初に予約した病院の診察の日がやってきた。

▼最初の病院「不登校(児童思春期)外来」

最初の病院での初診当日。
クラレと一緒に病院へ向かった。

夏休み期間中はクラレも元気に家で過ごしていたので、病院にかかるべきなのか正直疑問に思う気持ちもあったが、クラレは変わらず病院に行くことを望んでいた。

その病院は市内で唯一、児童精神科のある精神病院だ。
数年前に建て替えしたらしく、外観は新しく綺麗だし、入院施設もある割と大きな病院だ。

精神科の病院を訪れるのは初めてなので、不安もあったが建物が綺麗で設備も新しかったので、かなり安心感はあった。

担当の医師は、初老の男性医師だった。
医師としてのキャリアは相当長いと思われるし、穏やかそうな雰囲気と話し方は信頼できそうな感じだった。

まずクラレと一緒に私も診察室に入り、医師との面談を行った。
その後、それぞれ交代で診察室に入り、一人ずつ面談した。

私の時は幼少期から現在までのクラレの成育歴や、学校や集団環境での様子、現在困っている事などの質問があった。

かなり長い時間、しっかりと話を聞いてもらえたと思う。

それぞれの問診が終わり、初診での医師の所見は

「発達の問題の可能性も踏まえて、一度検査をしてみましょう。あとカウンセリングを受けるのがいいかと思います。
クラレさんが現在困っていることや胸の中にある想いを、カウンセラーに話して、どんどん言葉として出していくことが望ましいでしょう」

という内容だった。

発達の検査と聞いて「まさかクラレに発達の問題があるとは思えないけど…」とは思ったが、医師の『可能性』という言葉に「それもそうだな」と納得もした。

発達の検査は長時間になる為、2日間に分けて行われた。
並行して、カウンセリングもスタートした。

検査の結果が出るのは、1ヶ月後だ。

そしてその結果は…。

クラレ編 ⑨ に続く

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