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【エッセイシリーズ】よじまま家のこどもたち/長女クラレ編

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よじまま家の長女クラレのことを書いたエッセイです。赤ちゃん時代からのコミュ障、不登校。もがきつつも日々の小さな発見を積み重ねて少しずつ前に進んでいく物語です。
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記事一覧

クラレ#8:初診。始めての精神科病院へ

中1から不登校気味で、勉強も全くしていなかったクラレになんとか勉強に興味を持ってもらおうと『イケメンの先生がいる個別指導塾』を探し、奇跡的に近所で見つかった塾に入塾したものの、3ヶ月ともたずに退会。 状況は何も変わることなく、クラレは中学2年生に進級した。 進級して担任が変わることで何かしらの変化を期待していたが、2年生時の担任も「1年の時より悪い。最悪。」と一蹴され、益々学校から足が遠のいていこうとしていた。 そんな時、クラレがふいにつぶやいた「病院に行きたい。普通に

クラレ#7:中学2年生へ進級。「普通になりたい」

クラレは中学2年生になった。 イケメン講師のいる個別指導塾も1年生の3学期が終わる前に辞めてしまい、相変わらず勉強は全くしないので塾の効果も皆無だった。 学年が上がり、担任の先生が変わることで、1年生の時よりもクラレが心を開ける先生にあたるんじゃないかと期待していたが、2年生の担任についての評価も「最悪。1年の時より悪い。キモイ。嫌い。」だった。 そもそも学校に好きな先生が居ないので、しょうがないのだが、新しく赴任してくる先生に期待していたものの、クラレが好きになりそうな

クラレ#6:奇跡のイケメン講師塾へ入塾!その結末は...?

奇跡的にイケメン講師の居る塾が近所に見つかり、運命的なものを感じた為、さっそく入塾の手続きを完了させた。 体験授業も楽しかった様子で、塾に行くことを楽しみにしていたクラレだった。 この塾がクラレの第三の居場所になるかもしれないと期待も膨らんでいた。 そしてイケメン講師の個別指導塾がスタートした。 講師一人に対して生徒が最大3人までの授業で、1コマ100分だ。 中学に入ってからマトモに勉強していないクラレにとっては恐ろしく長い時間なはずである。 それでもクラレは週に1日の通

クラレ#5:塾探し。その結果は・・・

勉強がどんどん遅れていくことも不登校に拍車をかけていると考えたのと、学校、家以外の居場所に塾がなり得るかもしれないという期待もあって、クラレが気に入りそうなイケメンの先生が居る個別指導塾を探すことにした。 クラレ本人も勉強の遅れのことは見た目以上に気にしていた様子で、塾に通うことは前向きだったことも大きかった。 ただ、問題は自宅が鉄道の駅からも遠く、家の車も平日は使えない為、クラレが自分で通える範囲にある塾の数がそもそも少なく、その中でも個別指導塾はたったの2ヶ所だけだ。

クラレ#4:学校でも家でもない第三の居場所があれば…

学校の先生のはからいにより、クラレは週に1回、スクールカウンセラーとの1時間のカウンセリングを行うことになった。 最初は私も一緒に参加し、クラレと私とカウンセラーの3人でのカウンセリングを受けていた。 初回は全く話せなかったクラレだが、カウンセラーに対する印象は思いのほかよく、カウンセリングを続けて受けることを希望してくれた。 カウンセリングのどこが気に入ったのかをクラレに聞いてみると 「ママが私のことを誰かに話しているのを聞くのがおもしろい」 という返事がきた。(

クラレ#3:相談「学校に居場所を… 」

中学校入学後から先生とうまく関係を築けず、徐々に「学校」へ行くこと自体がストレスになっていったクラレ。 それでも1学期はなんとか登校できていたが、2学期になると登校前に腹痛を訴え遅刻する日が増えていった。 総合病院を受診した結果『過敏性腸症候群』と診断された。 小学校時代は友達は居なくても、担任の先生やいろんな先生がクラレと繋がりを持ってくれていたことで、クラレは安心して学校に行けていたと思う。 その繋がりが中学校では築けていない。 小学校とは全く違う怖い雰囲気の中学校

クラレ#2:先生がキライ! 小学校に戻りたい!

仲良しの友達は居なかったが、大好きな先生がたくさんいた小学校を卒業した長女クラレ。 中学校でも新しい先生と出会い、新しい関係を作っていってほしい。 そう思っていた。 中学校入学後しばらくクラレは普通に朝から学校に通っていた。 クラブ紹介を見た時に「面白そうだ」と思った吹奏楽部に入部し、「優しい先輩に教えてもらえて楽しい」と言っていた。 問題は無さそうに見えていた。 ところが、1ヶ月くらい経つ頃から「小学校に戻りたい」と言い出すようになった。 小学校の先生が大好き

クラレ#1:同級生とうまく付き合えない、先生大好きマイペース少女

さぁ、我が家の第一子、長女「クラレ」14歳、中学3年生について書いていこう。 長女クラレよりも弟の長男トトのことを先に書いたのは、トップバッターにクラレのことを書くのは荷が重たかったからだ。 トトもたいがい重いのだが、彼は今はどうにか自分の意志で自分の道を歩もうとしている。 だからいい。 でもクラレは・・・ずっと出口のないトンネルの中を今もさまよってる。 彼女の生きづらさは、たぶん幼い時から始まっていたと思う。 そのことに私は気付いてあげれなかったし、クラレ自身も意