「朝鮮人」は差別用語なのか。いったん止まって考えた。
元オーストラリア大使で、外交問題で遠慮ないコメントをして最近知名度の高い山上信吾の本を読んだ。
実名が出てきて興味深い反面、なにか他人への執拗な悪口を聞かされている気もして、読後、後味が悪い。
さて、もっとも気になったのは「韓国人を朝鮮人と呼んでなぜ悪い」と言い放った部分。いったいどんな場所で、どんな脈絡で言ったのか分からないので、判断のしようがないが、とりあえず該当するページをキャプチャしておく。
この問題について整理してみた。
「朝鮮人」という呼び方自体が差別的かどうかは、文脈や状況によって異なる。それはそうだ。
自分からこう名乗る人もいる。
民族名としての使用: 「朝鮮民族」や「朝鮮半島出身者」を指す場合、単に民族名としての呼称な場合もOKだろう。
歴史的文脈での使用: 歴史的な出来事や文献を扱う際に、当時の状況を正確に描写するために「朝鮮人」という言葉が使われることがある。
特に戦前、朝鮮半島に住んでいた人を指す場合は、「朝鮮人」以外の呼称は考えられない。
一方で明らかに差別的になる場合もある
日本では、過去に朝鮮半島出身者に対する差別的な意味を込めて「朝鮮人」という言葉が使われた歴史がある。
特に植民地支配時代には、支配者側が被支配者側を蔑視する意図でこの言葉を用いることがあった。
文脈の中で、明らかな差別目的で使っていればアウトでしょう。カタカナで表現しても蔑視が含まれていると受け取られるはずだ。
山上の場合、韓国人を「朝鮮人」と呼んでいるらしいので、これは誤解を招く表現だ。他国との友好的な関係を築くべき外交官が、こういう表現を安易に使うとは信じられない。
「朝鮮人」という言葉自体は中立的な民族名であっても、過去の植民地支配の経緯を考えれば、使用には注意が必要だ。
特に、相手を不快にさせる可能性がある場合は、別の表現を使うことを検討するべきでしょう。
最近では、政治的立場を超えて使える「在日コリアン」と呼ぶことも多い。ただ、嫌がる人もいるので、相手の考えを聞いた方がいい。
個人が自分のルーツをどのように表現するかは、その人のアイデンティティに関わる重要な問題だ。相手の意向を尊重し、適切な呼称を使いたい。
参考サイト:以下をクリックすると、参考になる文書を入手できます。
「朝鮮人」という呼称をめぐって - 鳥取大学研究成果リポジトリ
歴史的視座から見る「在日」の呼称問題
朝鮮人差別とことば - 株式会社 明石書店
令和2年度インターネット上の人権侵害の解消推進事業 シンポジウム講演会(要旨) 講師:李
不当な差別的言動と認めた表現活動の概要等 - 東京都